代表弁護士ブログ

2010年11月 5日 金曜日

非訟事件手続法の改正

非訟事件手続法は、明治32年に施行された法律で、いくつかの改正はなされたものの、総則部分については、法律の制定以降大きな改正がなされておらず、現在でもカタカナ交じりの条文になっています。今般、法務大臣から法務省に設置された法制審議会に改正についての諮問がなされ、法制審議会において改正の議論がなされています。栗林は、法制審議会の委員として、従前から改正についての協議に参加してまいりました。議事録については法務省のホームページで確認できます。

非訟事件とは、裁判のうち、訴訟以外の裁判を指す言葉で、対象となる事件が非常に広く、その性質も様々です。共通の性質を挙げるとすれば、当事者の権利義務を前提として、裁判所が合目的見地から、裁量により決定を行う手続ということができます。非訟事件の対象となる事件の典型的なものとしては、会社非訟、借地非訟、労働審判、家事審判などがあげられます。

借地非訟については、借地借家法において手続が定められ、労働審判についても労働審判法において具体的な手続が定められています。会社非訟、家事審判についても会社法、家事審判法において具体的な手続が定められていますが、非訟事件については、もともと職権探知主義が採用され、証拠の収集も裁判所が主体となって行う手続であることから、当事者の手続上の地位が明確でないことがあります。

今般の改正においては、特に対審構造的性質を有する相手方のある非訟事件において、当事者の手続上の地位を明確にする趣旨での改正を検討しています。自己が不利益を被る可能性のある手続においては、聴聞の機会を保証する(自らの主張を行う機会を保証する)という手続保証の原則を非訟事件手続においても、明確にしようというものです。

手続保証の内容は、具体的には、事件係属の通知、記録の閲覧・謄写、意見陳述の機会の保障、審問への立会権、即時抗告などにおいて現れることになります。これらの基本的な権利の他、今回の改正では、当事者が不測の損害を被ることのないよう裁判所の決定の言い渡し期日を明確にすることなども検討されています。

家事審判の手続や、会社非訟における株価の決定などは、現実の実務においてもよくみられる手続ですので、今後法律の改正により、当事者の手続保障を考慮した実務の運用がなされることが期待されます。

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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