事務所ブログ

2011年2月24日 木曜日

老後の安心な財産管理

パートナー弁護士 福本 朝子

年齢を重ねるにつれ一年が非常に短く感じらるようになりました。今後もこの勢いで時間が経つことを考えますと、老後の備えが急に現実味を帯びてきます。体力や判断能力が減退した後の自分の生き方や財産管理のあり方も、自分が亡き後の財産の行方も、自分の本来の意思に沿うものであって欲しいと、誰もが考えることでしょう。近年、老後の財産管理を心配されるご相談が多くなってきました。今回は、老後の財産管理を、自己の意思に基づき、安心、安全に行う方法として、以下の3つ紹介させていただきます。

(1)信託

「信託」とは、信託者が、信託行為によって受託者(信託銀行等)に自己の財産権を帰属させつつ、同時に、その財産を、その信託目的に従って、受益者のために管理処分させることを内容とする法律関係です。信託者と受益者が同一である場合もそうでない場合もあります。 例えば、不動産の管理を目的とした信託であれば、受託者は、その信託された不動産を受託者名義に変更し、賃貸借契約の締結、家賃の取立て・受領・固定資産税の支払い等の管理業務を行い、受益者は家賃の支払いを受けることになります。

受益者が亡くなった時には、受益者の権利は法定相続人に相続されますが、遺言書を作成することにより、特定の者に遺贈することも出来ます。 信託では、財産権(所有権)が受託者(信託銀行等)に移りますので、万が一、委託者の判断能力が衰えた時に騙されて財産を失ったり、親族に勝手に財産を処分されるのを防止することができ、財産の管理の煩わしさから解放される利点があります。

(2)財産管理委託契約

 財産の管理を第三者(受任者)に依頼する契約です。判断能力は十分ですが、難しい財産管理の手間や時間を省くため、受任者と財産管理の内容を詳細に定めた上で、財産管理委託契約を締結して、受任者に財産管理を任せます。財産の名義が受託者に移らない点が信託と異なります。ただし、任意後見人と異なり、受任者を公的に監督する者がいませんので、受任者が故意や過失により委任者の利益を害するおそれもあります。本人の判断能力が不十分になってもその契約は有効に継続しますので、その際の事務についても詳細に契約書に盛り込むことが必要となります。死後の遺産の分配などについては財産管理委託契約で定めることは出来ませんので、別途遺言書を作成しておかなければなりません。

(3)任意後見制度

 任意後見制度とは、本人が契約締結に必要な判断能力を有している間に、将来の自己の判断能力が不十分になったときに備えて、自己の療養看護・財産管理に関する事務(後見事務)の内容や自己の代理人(任意後見人)を、自らの意思で事前の契約により決めておく制度です。任意後見契約の締結は、本人の真意に基づき、法律的に有効な内容であることを確保するため、必ず公正証書により行われます。本人の判断能力が低下して家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときから、任意後見人の後見事務が開始されます。

本人の判断能力が低下したのちに親族が申立を行う通常の後見制度と異なり、後見人の選任と後見のあり方について、自己の意思が反映される利点があります。
  
当事務所では、皆様が何の憂いなく穏やかな余生を過ごされますよう、それぞれのご事情に最も適した財産管理の方法をご提案させていただきます。お気軽にご相談くださいませ。


投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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