代表弁護士ブログ

2011年10月25日 火曜日

国際取引契約における一般条項(General Provision)

英文契約書を作成する場合、契約の種類に拘わらず一般的に定められる条項があります(もちろん契約書の内容によってはそのような条項が一切ないものや、簡略化されて記載されるもの、一部の条項のみ記載されるものなど様々ですが)。このような規定は一般条項(General Provision)と言われています(契約書の中では雑則:Miscellaneousといわれることもあります)。一般条項としては次のような規定があります。

契約期間(Duration)
契約の始期と終期を定めます。期間満了後、自動更新がなされる場合には、そのような記載がなされることになります。

契約解除事由(Termination)
契約の途中解除事由を定めます。債務不履行や、破産などの信用棄損などの場合において、通知後何日以内に瑕疵の治癒されない場合には、契約が終了するという形で記載されます。一定の事由の発生によって契約が当然終了する場合や、解除予告通知を送付し一定期間の経過後に契約が終了する場合があります。

譲渡禁止(Assignment)
契約上の権利や契約上の地位の移転を禁止する条項です。権利の譲渡とは、契約上発生した個別の権利を移転することを言い、契約上の地位の移転は契約に関する権利義務を包括して第三者に移転することをいいます。多くの契約書では、契約上の権利の移転、契約上の地位の移転はいずれも相手方の同意がない限り禁止されることになります。

不可抗力(Force Majeure)
不可抗力とは、両当事者のいずれの責任でもない事由の発生により契約上定められた義務の履行ができなくなる事態を言います。このような場合に、義務を履行しなかったとしても、債務不履行とはみなされないと定められます。不可抗力の事由としては、戦争や大規模の地震などがあります。通常不可抗力が問題となるケースはありませんが、今回発生した東日本大震災のような場合には、被災地については不可抗力事由が発生したとみなされるケースが多くあると思われます。

秘密保持(Secrecy)
契約の履行の際に相手方当事者に対して開示する情報について、第三者への開示を禁止する条項です。契約の当事者は一定の取引の完成に向けてお互いに協力する立場にありますので、秘密情報を相手方に開示することも多くあります。このような場合に秘密保持条項を設けておかないと、当事者の秘密情報が思わぬ第三者に開示され、回復不可能な損害を被ることがあり得ます。

通知(Notice)
外国の当事者への通知方法としては、ファックス、郵便、eメールなどがありますが、どの方法によって通知した場合に、有効な通知とみなされるかをあらかじめ定めておきます。また、通知の受取人を定めておかないと、相手方当事者に通知したつもりでも、相手方から通知を受領していないというクレームがなされることも考えられます。従って、通知の方法、受領権限者の名前、通知文書の送付先住所、通知の効力発生時期などをあらかじめ定めておくことが多くあります。

準拠法(Governing Law)
お互いに国籍を異にする当事者間の取引では、どちらの国の法律に準拠して契約書が解釈されるのかが重要になることがあります。一方の国では有効な契約条項が他方の国では無効と判断される可能性もあるためです。準拠法の定めは極めて一般的な条項といえます。

管轄(Jurisdiction)
当事者間に紛争が生じた場合に、どこの国の裁判所により紛争の解決を行うかを定める規程です。Exclusive(独占的)な裁判管轄が定められる場合には、当該契約に関する紛争については、その裁判所のみが管轄を有し、他の裁判所は管轄を有しないことになります。他の裁判所に対して提起された訴えは裁判管轄を有しないことを理由として却下されることになります。Non-exclusiveな裁判管轄が定められた場合には、契約に定められた管轄裁判所が裁判管轄を有することになりますが、法律によってその他の裁判所も裁判管轄を有する場合には、他の裁判所に訴訟を提起することもできることになります。

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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