事務所ブログ

2011年10月17日 月曜日

海外の銀行預金口座の相続について

アソシエイト弁護士 今井 智一

最近は円高が急激に進み,海外に資産をお持ちの方も多くなってまいりました。また,多くの外資系金融機関が日本に進出しており,海外でも銀行口座を開設しやすくなったことから,海外に預金口座をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

しかし,不幸にして身近な方が亡くなって自分が相続人になり,しかも,亡くなった方が海外の銀行口座に預金を残したままであった場合,複雑かつ面倒な手続が必要となります。今回は,その点について簡単にご説明致します。

日本国内にある預金口座を相続する場合には,銀行によって違いはありますが,(1)相続人全員が署名押印した遺産分割協議書,(2)印鑑証明書,(3)住民票,(4)戸籍謄本,(5)その他銀行が要求する届出書面や請求書などを提出する必要があります。

これに対して外国(ここではアメリカを想定します。)にある預金口座を相続する場合には,まず,死亡診断書や遺言,遺産分割協議書,住民票,戸籍謄本などの書類の原本及びそれらを英訳した書類が必要になります。

これに加えて,死亡診断書などの上記書類について,公証を受けることを要求する銀行が多いと思われます。公証というのは,公証人の面前で書類の作成者が署名することによって,書類の成立の真正を担保するという制度で,日本では公証役場で受けることができます。

しかし,ここで大きな問題となるのは,日本ではアメリカ等と異なり,書類に公証を受けることが困難であるということです。たとえば,死亡診断書に公証を受ける場合には,本来,死亡診断書を作成した医師に公証人の面前で署名をしてもらう必要があるのですが,こうした対応をしてくれる医師はほとんどいません。そのため,書類に公証を受けることを要求してくる海外の銀行に対して,日本では公証を受けにくいという事情などを説明した上で,代替となる書面を作成して送付する必要があります。

また,外国でプロベート(Probate・亡くなった人の財産を相続するための手続)が始まった場合には,外国の裁判所に対して遺言書や遺産分割協議書,住民票等の書類を提出することが必要となることがあります。この場合には,外務省や公証役場で,アポスティーユ(Apostille)という公文書への認証を受けることや,駐日領事館での認証を受けることが必要となります。

海外に財産を持つことは簡単な時代となりましたが,万が一の際には,相続に際して複雑な手続が必要となる場合もあるということが,ご理解いただけたかと思います。当事務所では,アメリカや香港などでの手続を行った実績がございます。ご紹介したようなケースに直面した際には,一度ご相談ください。


投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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