代表弁護士ブログ

2011年10月21日 金曜日

国際取引契約における代金の支払い方法(決済条件)

国際取引を行うに際して代金をどのように支払うかは重要な要件になります。売買契約書やその他の一般的取引契約においては、代金の支払い方法について、いくつかの典型的なパターンがありますので、どの方法を用いるかを検討する必要があります。

Wire Transferは、買主が売主の指定する銀行口座に振り込み送金する方法です。銀行の窓口で外国送金振込依頼書に送金目的を記載する必要があるなど多少の手続きは必要となりますが、日本国名の通常の取引の場合と同様で決済の方法としては単純といえます。しかし、外国の売主からすれば、商品を先に引き渡しておきながら、月末締め、翌月末払いなどの支払方法であると、本当に買主が代金の支払いをしてくれるか心配になりますし、売主としては買主の倒産リスクも背負わなければならなくなります。

従って、振り込み送金(Wire Transfer)の方法を用いる場合は、当事者間の信頼関係がかなりしっかりしている場合に限られますし、国内取引と異なり、決済も通常短期間でなされることになります。また、売主としては買主の信用状態を常にチェックし、場合によっては取引を直ちに中止できるようにするための契約条件を設けるなどの工夫が必要になります。

国際貿易においては、信用状(Letter of Credit)(L/Cともいいます)による決済がなされることも多くあります。日本の会社がアメリカの業者から商品を仕入れる場合のLCによる取引は次のようになります。

日本の銀行(LC開設銀行)は、日本の会社(輸入業者)からの依頼に基づきLCを開設し、輸出地(アメリカ)の銀行に送ります。アメリカの銀行は信用状が到着したことを売主(アメリカの会社)に通知し、売主は信用状に従って書類の準備を行います。売主の準備する書類としては、荷物の引換に船会社が発行する船荷証券(B/L)(ビル・オブ・レイディング)、海上保険の引き受けを行った保険会社が発行する保険証券、売主が発行する荷為替手形があります。アメリカの銀行はこれらの書類がLCの記載内容に一致することを確認し、これらの証券と引き換えに売主から荷為替手形を買い取ります。アメリカの銀行は、これらの証券、荷為替手形をLCの開設銀行である日本の銀行に送付し、手形代金の支払いを請求します。LCの開設銀行である日本の銀行は輸入業者から代金の支払いと引き換えに荷為替証券、船荷証券などを輸入業者に引き渡します。日本の輸入業者は、船荷証券と引き換えに船会社から商品の引渡しを受けることになります。

LCを使った取引では、輸出業者は、船会社に商品を引渡し、LCの条件に従った書類を準備することで、現地の金融機関から商品代金の支払いを受ける(実際には荷為替手形の買い取りを受ける)ことができますので、商品の引渡し後速やかに代金の支払いを受けることができ、また開設銀行の保証によって、買主の信用状態を確認することなく、代金の支払いを受けることができますので、安心して取引を行うことができます。

代金の決済方法をどのようにするかによって、契約書の内容についても違いが生じてくることになりますので、代金の決済方法については十分な検討が必要になります。

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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