代表弁護士ブログ

2011年10月18日 火曜日

国際取引契約における基本契約と個別契約

外国から商品を購入する場合、取引基本契約書を作成し、商品の購入数量、品質、代金の支払い条件などについて合意するのが通常である。取引の開始に際して締結する基本的取決めを取引基本契約(Basic Agreement)といい、個々の取引に関する合意を個別契約(Individual Agreement)ということがあります。

国際取引においても契約の締結は、申入れ(Offer)と承諾(Acceptance)によって成立しますので、当事者の一方がいくらで、どの商品を購入したいという申入れを行い、他方当事者がその申入れを承諾した場合には契約が成立することになります。もちろん、契約の成立について争いがある場合で、裁判になった場合には、申入れとして、あるいは承諾として十分な要件を備えているかどうか(例えば商品の購入については記載があるが、その価格について合意がなされていない場合には、売買についての合意があったとはみなされません)が問題となることがあります。

取引基本契約が締結された後、購入者は注文書を用いて個別の注文を行うことになり、売主は当該注文を承諾するかどうかを決定することになります。売買の基本条件について売主と買主の意思の合致があった場合には契約(個別契約)が成立し、当事者は契約の内容に拘束されることになります。

もし、個別契約と基本契約の内容に齟齬がある場合には、原則として個別契約で定められた内容が優先すると考えられます。個別契約は基本契約よりも成立時期が後ですので、当事者の意思としては新しい個別契約の内容に拘束されると考えていたと推測されるからです。一方、基本契約に記載はあるが、個別契約に記載がない場合には、基本契約の内容が適用されることになります。

このように、基本契約で合意していたとしても、個別契約書によってその内容を変更することができますので、個別契約の記載内容には注意を払う必要があります。個別契約は通常契約書の体裁を取らずに、注文書の形で申し込みがなされることになりますので、その注文書に基本契約とは異なる記載(例えば、品質であるとか、納品日、代金の支払い方法、納品場所などについて記載がある場合)がある場合、注文書の内容に訂正を加えずに商品を納品した場合には、注文書の内容に同意したものとみなされてしまうことになります。

反対に、基本契約は、当事者間で当初定めるものですので、取引が進行していくごとに当初の合意とは異なった扱いが必要になってくることもあります。このような場合であっても、必ずしも基本契約書の内容を訂正する必要はなく、取引の都度当事者が合意すれば(注文書に記載を行い、その記載内容を売主が合意すれば)、新しい合意の内容に従って契約が成立することになります。

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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