代表弁護士ブログ

2011年10月 7日 金曜日

国際取引契約書作成の基礎知識

外国企業との取引の増加に応じて、大企業から中小企業にいたるまで、国際取引契約書の作成が必要となる場面が増加しています。当事務所でも、多くの企業から英文契約書の作成を委任される機会が増えております。国際取引については、様々な種類のものがありますが、多くは日本企業が外国企業に商品を売却したり、商品を仕入れる契約になりますので、契約書の種類としては売買契約書(Sales and Purchase Agreement)になります。

英文契約書については、長い歴史の中で作られた多くの決まりごとがありますので、日本の契約書とは形式や内容について多くの違いがあります。日本企業同士で取引を行う場合には、民法や会社法に基本的な取決めが多く定められていますので、仮に契約書に定めのない場合であっても、これらの法律の規定が適用になり、紛争解決の基準がおのずと定められることになります。従って、日本企業同士の契約書では、規定の内容は極めて簡単なものとなり、数億円の取引を行う売買契約書としても2から3頁程度の簡単なものとなることも多くあります。

一方外国企業と取引を行う場合には、お互いに適用する法令や取引慣習の相違が前提となっており、一方当事者にとって当然の事柄であっても相手方当事者は異なった解釈をしている可能性もありますし、全く予想もしなかったような主張をなされる場面も多くあります。従って、国際取引契約書を作成する際には、たとえ細かな事柄であって当然と思われる事項であっても、細かく契約書に規定する必要が出てきます。もちろん、当事者が考えていることを全て書くのではなく、一定の決まりに基づいて、ある種の定められた事柄を規定するのが通常です。

国際取引契約書を読んで最初に出てくるのがWhereas条項です。Whereas条項では、各当事者が当該契約書の作成によってどのような目的で契約書を締結しようとしているのかを簡潔に記載します。例えば売主としては、一定の商品の売却を考えており、買主としては当該商品の購入を考えているというような事柄です。

国際取引契約では、約因(consideration)という言葉がよく使われます。約因は取引の対価を意味し、物の売買であれば、物の引渡しと金銭の交付が相互に対価となっています。契約書の作成は、双方の当事者がお互いに取引(バーゲニング)を行いながら取引内容を定めていきますので、必ずしも物と金銭のような明確な有形物の取引だけではなく、例えば一方の当事者が保証表明を行った対価として、他方当事者が危険負担を負うというように契約内容の取引も行われることになりますので、双方の当事者が何らかの契約条項に拘束される限りそこに約因が存在すると考えられます。英米法では、約因(consideration)のない契約は無効と解釈されますが、どのような譲歩をお互いに行ったかについては極めて幅広く解釈されますので、実際上約因が存在しないとして契約が無効になることはほとんどないと考えられます。しかしながら、伝統的な契約書の記載として、Whereas条項の最後には、相互の約因を対価として契約を締結するという記載がなされるのが通常です。

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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