事務所ブログ

2011年12月 7日 水曜日

ニューヨーク州司法試験受験体験記―試験の概要

パートナー弁護士 松本 甚之助

今回、多くの方の協力のおかげで、ニューヨーク州司法試験を受験する機会に恵まれ、幸運にも合格することができましたので、その体験について書かせていただきたいと思います。

1.試験科目
ニューヨーク州司法試験は、ニューヨーク州エッセー、ニューヨーク州択一、MPT(全州統一のエッセーの試験)及びMBE(全州統一択一試験)で構成されています。

MBEは、Common Law又は連邦法に関して、Constitution(憲法)、Contract(契約法)、Criminal Law(刑法)、Criminal Procedure(刑事訴訟法)、Evidence(証拠法)、Real Property (不動産法(不動産担保含む))、Tort (不法行為法)が試験範囲となっています。

一方、ニューヨーク州のエッセーと択一は、ニューヨーク州に関する上記科目に加えて、Agency(代理法)、Commercial Paper(手形小切手法)、Conflict of Laws(抵触法)、Corporations(会社法) 、Domestic Relations(家族法)、Federal Jurisdiction(連邦裁判所の裁判権)、New York Practice(民事訴訟法) 、No Fault Insurance(無過失責任保険)、Professional Responsibility(弁護士倫理)、Partnership(組合)、Secured Transactions(不動産以外の担保取引)、Trusts(信託) 、Wills(遺言)、Workers Compensation(労働者災害補償法)が試験範囲となっております。

科目数は多いですが、どちらかというと広く浅く質問がされてきますので、それほど深い知識は要求されていません。また、きちんと見ると、日本の司法試験の科目が細分化されていますので、それほど科目数が多いかというとそうとも言えないと思います。たとえば、Contract、Real Property、Agency、Domestic Relations、Partnership、Secured Transactions、Willsなどは、日本では民法として1科目としてカウントされています。

ただ、MBEとニューヨーク両方で試験範囲となっている科目については、それぞれの違いを覚えていないといけないので、その点に気を付けた勉強が必要になってきます。

2.試験の時期・時間
ニューヨーク州の場合、7月については毎年第4週の火曜日と水曜日の2日間と定められているようです。火曜日については、MPTとニューヨーク州独自の試験(択一、エッセー)が行われ、水曜日はMBEが行われます。

初日は、New York Dayと呼ばれ、午前は3時間15分で、択一試験50問とEssay3問、午後はEssay2問とMPT1問という構成になっています。Barbriという受験予備校の指導では、午前は、択一問題に1時間(1問あたり1.2分)、Essay1問につき40分を使用し(残り時間は確認用にとっておく)、午後はEssay1問につき45分、MPTに90分使用するよう指導しています。Essayについては、午前より午後の方が、時間がかかる問題が出題されるとのことです。

2日目は、午前午後各3時間ずつでそれぞれ100問、6時間合計で200問の択一問題を解くことになっています。一問あたり1.8分で解く計算になります。

MBEについては全州で同一の日に行われており、その関係上他の州でも7月第4週の火曜日から木曜日の間で司法試験が開催されているということです。ちなみに、LLMの留学生がニューヨークと並んで多く受験をするカリフォルニア州は火曜日から木曜日までの3日間となっているそうです。

3.Laptop受験
エッセーについては、ノートパソコンを利用して答案を作成することができます。以前はパソコンを使って受験するためには、抽選に当たらないといけなかったそうですが、現在は申込者全員がパソコンで受験をすることができるようになっているそうです。

ノートパソコンで受験をする際には、SofTestという専用のソフトウェアを事前にインストールする必要があり、そのソフトウェア代金として余分に100ドルを支払う必要があります。

4.受験資格の確認手続き
事前にニューヨーク州の定める受験資格に該当する旨の確認を司法試験委員会から受ける必要があります。私が受験した際には、これが必須になった最初の年ということで時期は受験する年の4月までということでしたが、2012年以降の受験者については受験する前年の4月までということに変更になるそうなので、アメリカに留学をしてニューヨーク州司法試験を受験される方は受験資格の確認手続きの時期にご注意ください。詳細については、以下をご確認ください。

http://www.nybarexam.org/Foreign/ForeignLegalEducation.htm

なお、ニューヨーク州司法試験委員会からAccreditation(学校証明書)なるものの提出を求められますが、過去に同じ大学で受験をした方がいる場合には、出さなくて済みます。実際、私は出していませんが問題なく受験資格が認められました。

5.受験資格
上記の受験資格の確認は、ABAの認定したロースクールを卒業し所定の単位を取得したことを前提として、受験資格があるという回答がなされます。

所定の単位については、学校から説明があると思いますが、私の受験した際には、アメリカの基本法に関する授業2コマと、合計20単位の取得が要求されていました。 ただ、受験資格の要件が変更になっており、最低でも24単位の取得が必要となり、その中身についてもいろいろと制限がありますので、ニューヨーク州司法試験の受験を考えている方は、授業を登録する際には、要件を満たすよう今まで以上に注意して履修登録をしなければならないことになりますのでご注意ください。詳細については、以下をご確認ください。

http://www.nybarexam.org/Docs/Amended_Rule_520.6_April27_%202011.pdf


投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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