事務所ブログ

2016年4月13日 水曜日

日本に住所を有する日本人が香港に財産を残して死亡した場合の手続

香港の弁護士Katty Tsang氏による、「日本に住所を有する日本人が香港に財産を残して死亡した場合」の香港での相続手続に関するプレゼンテーションについて、前回の続き(第2回)を掲載いたします。

日本に住所を有する日本人が香港に財産を残して死亡した場合の手続について【第2回】

[具体的な手続1]

1. 日本はプロベート及び遺産管理条例第10章別表2(Probate and Administration Ordinance (Cap. 10) Schedule 2)により指定されていないため、簡易な手続は適用されません。

2. プロベートの申立てに関する法的根拠:非争訟的プロベート規則第29条(Rule 29 of NCPR)

まず、プロベートの申立ての前に、一方的な申立てにより命令を取得することになります。

日本人の被相続人が遺言を残さず死亡した場合、規則第29(b)条に基づいて、一方的な申立てを行うことになります。
申立てフォーム(ご参照用):
Form F3.1 《香港司法機構のサイトより》


但し、プロベートの申立てをする前に命令を取得することは、次の場合には免除されます。

(a) 被相続人が遺言を残して死亡した場合、英語又は中国語で記載された被相続人の遺言に従って選任された遺言執行者に対し、授与書を発付することができる。
(b) 被相続人の香港における財産が不動産のみである場合、香港に住所を有する被相続人が死亡した場合と同様、香港法に基づき(日本法ではない)権限を有する者に対し財産に限定された授与書を発付することができる。

これらの場合には、香港における通常のプロベートの申立てと同様、直ちにプロベートの申立てを行うことができます。

3. 被相続人の香港における財産が150,000香港ドル未満の場合は、略式の手続の対象ではなく、非争訟的プロベート規則第29条(Rule 29 of NCPR)の対象になります。

4. 申立ては全ての添付書類を揃えて行わなければなりません。添付書類として通常想定されるのは下記の書類ですが、場合によっては更に書類が必要となる可能性があります。
・死亡証明書
・婚姻証明書
・出生証明書
・被相続人の本人確認書類
・申立人の本人確認書類
・被相続人の最後の住所地及び職業に関する書類
・香港における資産に関する書類(例:銀行預金残高証明書、土地調査記録)
・遺言調査記録
・(もしあれば)銀行の貸金庫内の物品に関する目録

まず、日本の当局又は機関が作成した書類は、アポスティーユを取得する必要があります。
次に、個人/民間団体が作成した書類は、日本の公証役場で認証を受けた上で、外務省で証明書を取得し、又は/かつ、駐日中国大使館で認証を受ける必要があります。日本語で記載されているものは、翻訳者が宣誓の上翻訳しなければなりません。

5. 日本の弁護士による、法律についての宣誓供述書/宣誓書が必要となります。

【第3回に続く】

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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