事務所ブログ

2017年3月14日 火曜日

香港会社法―その2:香港非公開会社の株式の取得

 香港の弁護士Christy Liさんによる、香港の会社法についてのブログ記事の第2回を掲載いたします。

香港会社法―その2:香港非公開会社の株式の取得

 買主が香港の非公開会社の発行済株式の全部もしくは一部を取得したい場合、もしくは、そこで法的地位や利益を受ける地位を取得したい場合には、当該株式に関する株式譲渡証書及び売買報告書を作成するという簡単な方法によって行うことができます。ただし、株式譲渡は定款等によって制限されることがある点に注意が必要です。

 しかし、相当な財産があり、相当な経営を行っている会社(実体のないペーパーカンパニーではないということ)の取得が行われる場合、当該売買は構造化され、当該売買における当事者の権利及び義務を確認するために関連法律文書も作成されます。その文書とは、国際的にも多く使われているようなもので、一般的に下記の文書を含みます。

(1)当事者が実際の取引及びデューデリジェンスの過程で得たいかなる情報も外部に漏らさないという秘密保持契約。また、他者との交渉が行われないように、秘密保持契約には一定期間の独占交渉権が認められるという規定が盛り込まれることもあります。

(2)事業または会社に関するデューデリジェンスの質問事項及び報告書。

(3)売却に関連して各当事者の義務および責任を特定する売買契約書。これは通常、事業または会社に関する詳細な表明保証を含みます。

(4)売主が売買契約書に記載の表明保証に照らした開示を行う開示確認書。

(5)売買に関連する株式譲渡用紙。これは株式譲渡証書および売買報告書を含みますがこれに限定されません。

 香港株式を譲渡する際には、株式の対価または市場価額のうち高い額の0.2%(すなわち、売却した株式につき0.1%、購入した株式につき0.1%)に相当する印紙税と、株式譲渡証書に貼付すべき5香港ドルの印紙税が発生します。非上場株式については、印紙局は、市場価額を確認するために会社の純資産価額を調査します。契約書は、締結日から2日以内(香港外での売買の場合は30日以内)に、印紙貼付のため印紙局に提出しなければなりません。また、既存の株式を譲渡するのではなく、買主に新株発行するといった印紙税の軽減方法もあります。どの軽減方法であっても適正に実施されなければなりません。

 民間企業の場合、最新の監査済み決算書(該当する場合には連結決算書も含む)又は最新の管理決算書(監査済み決算書が準備されていないか、最新でない場合)の認証謄本、保有する土地および資産の詳細、全ての売買契約書の写しは、書類が印紙貼付のために供されたときは通常、提出しなければなりません。印紙局から追加情報を求められる場合もあります。

 期間内に書類に印紙を貼付できなかった場合の罰金は、納税義務のある額の2~10倍の額となりますが、税務局の徴収員は、相当な場合には罰金の全部又は一部を免除する権限を有します。会社もその他の者も、貼付すべきである印紙が正式に貼付されていない証書にもとづいて決定したり、一般的には裁判を行ったりすることはできません。印紙が貼付されていない証書は会社の帳簿に登録されません。

 印紙を貼付(および定款で定められたその他の手続を遵守)した後、当該譲渡は会社の法定帳簿に登録され、新たな株券が発行されます。

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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