事務所ブログ

2017年5月11日 木曜日

企業法務弁護士による遺産相続 配当還元方式

配当金額の計算においては、特別配当などの通常の配当以外の配当は除きますが、期末の配当と中間配当は含まれることになります。また、1年の期間であれば、ばらつきが生じる可能性がありますので、2年分の平均値を用いるものとされています。例えば昨年度の期末配当が一株当たり50円で、今年の期末配当も一株当たり50円の場合、2年間の平均の配当金額は50円ということになります(中間配当がなされていない場合)。

配当還元方式による株式の価額の計算式は次の通りです。

一株当たりの配当還元価額=
(1株(50円)当たりの年平均配当金額÷10%)×(一株当たりの資本金等の額÷50円)

上記の内、一株(50円)当たりの年平均配当金額は、次の通り計算します。

(直前期末以前の2年間の配当金の合計額÷2)÷(直前期末の資本金等の額÷50円)

計算が複雑そうですので、その内容をよく見ていきたいと思います。

上記のうち、直前期末以前の2年間の配当金の合計額÷2というのは、2年間の合計の半分ですので、1年間の平均値を指しています。例えば前々年度の配当金の合計が100万円で、前年度の配当金の合計が同じく100万円であるとすれば、1年間の平均は100万円(200万円÷2)ということになります。

もしこの会社が、資本金が1000万円で、発行済株式総数が200株の会社とすれば、次のようになります。

一株(50円)当たりの年平均配当金額=100万円÷(1000万円÷50円)=5円

そこで、
一株当たりの配当還元価額=(5円÷10%)×(1000万円÷200株÷50円)
=50円×(50000円÷50円)=50円×1000
=5万円

すなわち、この会社の配当還元価額は5万円ということになります。上記の通り、資本金1000万円で、発行済株式総数200株、配当金の合計が100万円であるとすれば、一株当たり5000円の配当がなされたわけですので、単純に5000円÷10%と計算しても同じ結果になると思われます。

上記の通り計算が複雑になるのは、会社によって資本金の額や発行している株式数が異なるため、単純に一株当たりにいくらの配当がなされているかを比較するだけでは正しくなく、単位を一旦一株当たり50円にそろえて計算し、その後実際の発行済み株式数に応じて割り戻して計算するという過程を経ているからです。

しかし単純に一株に配当された金額の10倍(10%で割る)と考えれば、良いことになります。すなわち、株式については10%程度の投資利回りが考えられるとの計算のもとに一株当たりの計算をすることになります。例えば5万円の投資に対する年間利回り10%と言うことは5000円の利益となりますので、反対に5000円の配当を生む株式は5万円の価値を有するということになります。

実際に10%の投資利回りというのはかなり高い数字で、非上場会社の株式で10%もの利回りが生じるか疑問に思われるかもしれませんが、利回りが高いということは、元本(株価)を下げることを意味していますので、相続の場合などはこの考えで納得できるのではないかと思われます。反対に非上場会社の株式の買取請求等の場合には、少数株主は安い価格で株式を買い上げられてしまうということにもなります。もちろん、配当還元価額は実際に配当がおこなわれている会社に対して適用になりますので、配当がおこなわれていない会社については、純資産価額等を用いるしかないことになります。

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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