事務所ブログ

2017年5月12日 金曜日

企業法務弁護士による遺産相続 支配権を持つ同族、類似業種比準方式(その3)

同様にC'/Cについて見ていきます。ここでも1株を50円と見た場合の利益を比較することになります。例えば評価対象会社の資本金が1000万円、発行済株式総数が1万株、年間利益が3000万円の場合、単純に発行済株式総数で年間利益を割ると3000円ということになりますが、類似業種との比較を行う際には、1株50円に調整する必要があります。上記の通り、資本金1000万円を50円で割ると20万株ということになりますので、1株50円当たりの利益金額を計算する場合には、3000万円を1万株で割るのではなく、20万株で割る必要があります。従って3000万円÷20万株=150円となりますので、1株50円当たりの年利益は150円と計算されることになります。

そこで、C'/Cですが、国税庁のホームページで、類似業種の利益金額(C')が例えば30円とされている場合、150円÷30円で5倍という数字が算出されることになります。

従前、閉鎖会社の株価の算定において、利益がどれだけあるかは重要であり、比較する場合のウエイトを大きくする必要があるとの考えから、C'/Cについては、更に3倍して計算していました。上記の例で言えば、5倍×3=15倍という数字になります。しかしこの点については、平成29年の税制改正により3倍しない扱いとなっていますので、現在では15倍ではなく、5倍の数字が用いられることになります(上記の例)。

次にD'/Dについても同様に計算していくことになります。Dは類似業種の1株当たりの帳簿上の純資産額を意味しています。Dの数値についても、国税庁のホームページの表をもとに、類似業種の数字を特定して用いることになります。D'は評価対象会社の1株当たりの帳簿上の純資産額を意味しています。ここで注意するのは、相続税の評価の場合、会社が所有する不動産などについては、単純な帳簿価格ではなく、相続税評価額に基づいて再計算する必要があることです。例えば、評価対象会社が30年前に取得した3億円の土地が、取得価格に基づき帳簿上の取得価格3億円となっている場合でも、相続税評価額(路線価)が5億円の場合、純資産の計算においては、相続税評価額をもとに計算しなおす必要があることです。

そこで、例えば、評価会社(資本金1000万円)の純資産が3億円の場合、3億円を20万株で割り、1株当たりの純資産額を1500円と計算することになります。一方、例えば、類似業種の1株当たりの帳簿上の純資産価額が2000円の場合、D'/Dの値は、1500円÷2000円=0.75ということになります。

以上をもとに、A×(B'/B+C'/C+D'/D)÷3×Xを見ていきます。

Aについては、上記の通り国税庁のホームページで見ることができ、ここでは例えば当該類似業種の株価を300円とします。これらの数字を当てはめると、次の通りになります。

300円×(2/1+150/100+1500/2000)÷3×X

A:類似業種の株価 300円
B:類似業種の1株当たりの配当金額 1円
B':評価会社の1株当たりの配当金額 2円
C:類似業種の1株当たりの年利益金額 100円
C':評価会社の1株当たりの年利益金額 150円
D:類似業種の1株当たりの帳簿上の純資産価額 2000円
D':評価会社の1株当たりの帳簿上純資産額 1500円

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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