事務所ブログ

2018年10月 2日 火曜日

アメリカの財産分与(Property division)について

離婚によって夫婦関係が終了した場合にはその夫婦の間で財産を分与する手続きを行うことになります。その財産分与における基本的な考え方は、公平に財産を分配するということにあります。
この分配の手続きとしては大まかに2つの段階を経ることになります。
最初に、夫婦間の財産について、個別の財産が、その夫婦のどちらかの個別財産(Separate property)か、それとも夫婦の婚姻財産(Marital property)かを区別する必要があります。

個別財産
(1)婚姻前から所有していた財産
(2)婚姻後に取得した財産であっても、その夫婦の一方の名前だけで贈与を受けた、または相続した財産
(3)上記(1)及び(2)に属する財産の価値の上昇分については個別財産
その他の財産は婚姻財産となります。
ただし、夫婦の一方の個別財産だった財産を別の財産に変えたにすぎない場合には、その夫婦の一方の個別財産のままになります。例えば、個別財産であった絵画を売って、別の絵画をその夫婦の一方が自分の名義で購入した場合です。この場合とは異なり、個別財産を何らかの夫婦の共通の目的のために使用した場合には、その財産は夫婦の個別財産ではなく、共有の財産となります。例えば、個別財産であった絵画を売って、夫婦が共有している家のローンの支払いを行ったような場合です。

婚姻財産
個別財産以外の財産で、婚姻中に得て、残存している財産はすべて婚姻財産となります。夫婦のうちのどちらが稼いだお金をその財産を取得するために使用したかということや、その財産がどちらの名義となっているかということは考慮されません。婚姻中に得たすべての財産ですから、一方の収入や、宝くじのようなものによって得た財産であってもすべて婚姻財産となります。


夫婦のどちらかの個別財産か、それとも婚姻財産かについて決定した後に、次に、それらの財産を夫婦間で分配することになります。
まず、それぞれの夫婦の個別財産については、それぞれの夫婦が取得します。
次に、婚姻財産について、これをそれぞれの夫婦に対して、公平の観点から裁判所が分配(Distribution)することになります。その際に考慮される要素としては、主として、離婚後の収入に影響を及ぼす要素が考慮されることになります。この要素としては以下のようなものが考えられます。
夫婦の年齢や健康状態。年齢や健康状態によって、離婚後に十分な収入を得られないことが予想される場合には、その者に対してより多くの財産が分配されることになります。
教育レベル、経験などの収入に影響を及ぼす要素。
どちらが未成年の子供の看護を行うか。
婚姻期間。婚姻期間が長いならば、より平等に財産は分配されることになります。
夫婦の一方が婚姻財産を浪費したかどうか。
ただし、離婚の原因となった事情について、それが夫婦のどちらにあったかということは、一般的には夫婦間の財産の分配に際して考慮されません。

夫婦共有財産の分配割合について決定した後は、裁判所は、婚姻財産のうちの財産を個別に夫婦間でそれぞれ分配することもできますし、個別の財産の分配に代えて、金銭の支払いを命じることもできます。例えば、夫婦の一方が車を取得する代わりに、他方が1万ドルを支払うというような場合です。


投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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