事務所ブログ

2019年1月24日 木曜日

ウェブサイトの利用規約の契約への組入れと有効性について

サイト利用規約の記載が当該取引についての契約の一部になる場合。

1 サイト利用規約の組入れ可否について
インターネット通販、インターネット・オークション、インターネット上での取引仲介・情報提供サービスなど様々なインターネット取引を行うウェブサイトには、利用規約、利用条件、利用契約等の取引条件を記載した文書(以下総称して「サイト利用規約」という)が掲載されていることが一般的であるが、サイト利用規約は利用者との間の取引についての契約にその一部として組み入れられるか。

2 ウェブサイトの利用規約の契約への組入れと有効性
物品の販売やサービスの提供などの取引を目的とするウェブサイトについては、利用者がサイト利用規約に同意の上で取引を申し込んだのであれば、サイト利用規約の内容は利用者とサイト運営者との間の当該取引についての契約の内容に組み入れられる(サイト利用規約の記載が当該取引についての契約の一部になる)。
(1) 取引その他の契約関係の存在
サイト利用規約が契約内容に組み入れられるためには、まず利用者とサイト運営者の間にそもそも何らかの契約関係が認められることが必要である。契約関係の基礎となる取引としては売買取引(インターネット通販など)が最も典型的であるが、インターネットを通じた有償の情報サービスやインターネット・オークションなど各種のサービス提供取引も契約関係を発生させると考えられる。
なお、利用者とサイト運営者の間に契約関係が存在しない場合にはサイト利用規約の記載は契約としての効力を持ち得ないが、その場合であっても、サイト運営者の不法行為責任の有無及び範囲を判断する上で、サイト利用規約の記載内容が斟酌される場合もあろう。

(2)サイト利用規約が適切に開示され、且つ利用者がサイト利用規約に同意の上で取引の申込みを行っていると認定できること
サイト利用規約が契約内容に組み入れられるためには、次に、①利用者がサイト利用規約の内容を事前に容易に確認できるように適切にサイト利用規約をウェブサイトに掲載して開示されていること、及び②利用者が開示されているサイト利用規約に従い契約を締結することに同意していると認定できることが必要である(「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」経済産業省i.21頁)。

3 サイト利用規約の変更とその効力
サイト利用規約は、単発の取引であるか継続的な取引であるかに関わらず、利用者とサイト運営者との間の取引契約の内容に組み入れられることで契約の一部となるものと考えられる。そして、いったん成立した契約は当事者の合意によらない限り変更できないのが原則である。よって、事業者が既存のサイト利用者に変更後のサイト利用規約を適用するためには、サイト利用者に対してサイト利用規約の変更箇所を分かりやすく告知した上で、利用条件の変更に対するサイト利用者側の同意(又は変更後のサイト利用規約に基づき取引を行うことへの同意)を得ることが必要である。

4 消費者契約法等による内容規制
サイト利用規約が契約条件に組み入れられる場合であっても、その中の強行法規に違反する条項や公序良俗に反する条項は無効とされる。
例えば、事業者の責任を制限する条項(消費者契約法第8条)、消費者に対する過大な損害賠償額の予定(消費者契約法第9条第1号)、その他消費者の利益を一方的に害する条項(消費者契約法第10条)は無効となる。


投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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