代表弁護士ブログ

2019年8月13日 火曜日

アメリカ合衆国の裁判管轄に関する原稿の寄稿

東京弁護士会の会派の一つである二一会が大正8年2月21日の創設から、本年をもって100周年を迎えることになりました。二一会では、創設100周年を記念して記念誌を発行する予定です。栗林は、「製造物責任訴訟におけるアメリカ合衆国の国際裁判管轄の変遷」と題する原稿を寄稿しました。今回の論文は、アメリカで損害が発生した製造物責任訴訟に関し、アメリカの裁判所が外国企業に対してどこまで管轄権を有するかについて連邦最高裁判所の判決をたどりながら、アメリカの管轄に関する考え方を明らかにすることを目的としています。アメリカでは、アメリカ合衆国憲法修正14条のデュープロセス条項(適正手続条項)により、管轄権のない裁判所の管轄に服することはないということをもとに議論が進められています。近代的な判決の嚆矢となったのは、1945年のインターナショナル・シュー事件で、ミニマムコンタクトの理論が初めて明らかされました。非居住者に対する司法権の行使については、当該州都被告との間に最低限のかかわりが必要であるとの理論です。その後、製品の移動の予見可能性について言及したワールドワイド・フォルクスワーゲン事件、ミニマムコンタクトと公平性・合理性についての二段階の分析手法を明らかにしたバーガーキング事件、ミニマムコンタクトの中身を検討した1987年のアサヒ事件など、ミニマムコンタクトの内容が徐々に精緻化されてくることになりましたが、予見可能性があれば具体的な接触はなくてもミニマムコンタクトを満たすのかどうかについて議論が分かれていました。2011年には、連邦最高裁判所は、マッキンタイア事件で、ストリーム・オブ・コマースの理論は不明確で混乱を招くとして排除するとともに、被告の適正手続き(デュープロセス)の観点から、伝統的な立場に回帰し、ミニマムコンタクトの有無について検討することを再度確認しています。日本の企業がアメリカにおいて製造物責任訴訟に巻き込まれることも多いと思いますので、管轄に関するアメリカ連邦最高裁判所の考え方や、歴史的推移についてまとめておくことは有意義ではないかと思います。



投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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