代表弁護士ブログ

2020年6月 3日 水曜日

株主総会決議取り消しの訴え(会社関係訴訟)について

株主総会の決議に瑕疵があるとき
同族企業において支配権をめぐる紛争が生じた場合、総会決議の効力をめぐって争いが生じることが多くあります。多くは取締役の選任決議の効力をめぐって争われますので、取締役を選任した決議が有効であったかどうかが議論されることになります。株主総会の決議に瑕疵がある場合、株主総会不存在の訴え、株主総会決議無効確認の訴え、株主総会決議取り消しの訴えを提起し、総会決議の効力がないことを確認することができます。

株主総会取り消しの訴え(会社法831条1項)
株主総会決議取り消しの訴えとは、一旦行われた株主総会の決議を後から取り消し、その効力をなくしてしまう(決議がなかったものとしてしまう)ための訴えです。決議の取り消しは裁判所の決定によってのみ行うことができますので、裁判所への訴訟提起が必要になります。株主総会決議取り消しの訴えを提起できるのは、次の場合になります。
① 株主総会の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。株主総会の招集手続きや決議の手続きに瑕疵がある場合です。例えば次のような場合が該当します。
・決議の定足数が不足していた場合
・一部の株主に対して招集通知が送付されていなかった場合
・招集通知が定められた期間内に発送されなかった場合
・招集通知や株主総会参考書類の記載内容に不備がある場合
・取締役会の決議なしに代表取締役が株主総会の招集を行った場合
・招集通知に記載のない事項について決議した場合
・取締役による説明義務違反がある場合
・議決権の行使が妨害され、議決権行使ができなかった場合
② 株主総会の決議の内容が定款に違反するとき
③ 株主総会の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がなされたとき

株主総会決議取り消しの訴えの原告適格
株主総会決議取り消しの訴えを提起できるのは、株主、取締役、監査役、(指名委員会等設置会社の)執行役、清算人に限られます。

株主総会決議取り消しの訴えの出訴期間
株主総会決議取り消しの訴えは、取り消しの対象となる株主総会の決議がなされた日から3か月以内に訴えを提起しなければならないとされています。株主総会決議が取り消された場合、株主総会の決議を前提として行われた様々な取引が無効とされてしまうため、早期に決議の効力を確定させる必要があることから、提訴期間が3か月という短い期間に限定されています。

裁判所による裁量棄却
株主総会決議取り消しの訴えが提起された場合において、株主総会などの招集手続き又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、その請求を棄却することができるとされています(会社法831条2項)。いわゆる裁判所による裁量棄却の規定です。決議取り消しは関係者に対して重大な影響を与えますので、些細な違反で決議を取り消してしまうのは相当でないことから、裁判所の裁量で請求を棄却することができることとしています。

株主総会決議取り消しの効果
株主総会決議の取り消しの決定がなされた場合、決議の効力は無効となります。取締役選任決議の効力が取り消された場合、その取締役に対する報酬の支払いは無効となり、その取締役が行った行為の効力も無効となります。

株主総会決議無効確認の訴え(会社法830条2項)
株主総会の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもってすることができるとされています。決議の無効確認の訴えは、決議についての瑕疵が取り消しの場合よりも大きい場合が当たることになります。決議取り消しの場合と異なり、原告適格や出訴期間の制限はありませんので、誰でも、いつでも訴えを提起できることになります。

株主総会決議不存在の訴え(会社法830条1項)
株主総会の決議については、決議が存在しないことの確認を訴えをもって請求することができるとされています。実際には株主総会が開催されていないにもかかわらず、株主総会の議事録が作成され、役員の選任登記がなされているような場合が当たります。また、株主総会の招集手続きが一応取られていても、大部分の株主に対する招集通知が発送されていないなど瑕疵が著しいため、決議が存したと評価できないような場合も決議不存在の理由となります。

栗林総合法律事務所のサービス内容
少数株主が株主総会決議取り消しの訴え、総会決議無効確認の訴え、株主総会決議不存在の訴えを行うのは、会社支配権をめぐる争いがある場合や、多数派株主と少数派株主との間に争いが生じている場合と考えられます。また、中小企業においてこれまで法律に従った総会の開催を行ったことがないような会社で内紛が生じた場合に、過去の総会決議が適正だったのかが争われることになります。当事務所がこれまでに扱った案件でも、株主の知らない間に取締役選任がなされていたり、合併や会社分割などによって持ち株比率が著しく低下させられていたという事例が多くあります。栗林総合法律事務所は、株主総会決議取り消しの訴え、総会決議無効確認の訴え、株主総会決議不存在の訴えにおいて会社や株主を代理して訴訟追行を行います。株主総会決議取り消しの訴え、総会決議無効確認の訴え、株主総会決議不存在の訴えについては栗林総合法律事務所にお問合せください。


投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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