代表弁護士ブログ

2020年7月 6日 月曜日

会社の設立手続き


1 株式会社の設立

基本的事項の決定
株式会社の設立方法には、発起人だけが出資して株主となる発起設立と発起人以外の株式引受人を募集する募集設立の2種類があります。後述の通り、募集設立は手続きが複雑になりますので、中小企業などでは発起設立の方が一般的です。

株式会社の設立の際には、まず発起人が必要です。発起人は誰でもなることができ、一人でも問題ありませんが、必ず1株以上株式を引受けなければなりません。発起人は、発起人会を開いて、発起設立か募集設立か、会社の商号、本店所在地、事業目的、株式の譲渡の可否、会社の機関設計、資本金の額、発起人の出資額、現物出資、株券の発行の有無や1株あたりの価格、発行可能株式総など株式に関すること、役員、公告方法、事業年度などを決定します。

定款の作成
発起人は、定款を作成する必要があります。定款に記載する事項についてはルールがあり、記載する事項により、絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項の別があります。

・絶対的記載事項
定款に必ず記載しなければならない事項であり、ひとつでも欠くと定款の効力が認められません。具体的には、商号、目的、本店所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名(会社の場合は名称)及び住所、発行可能株式総数です。

・相対的記載事項
定款にこれらの事項に関する定めがなくても定款は有効であるものの、決定した場合には定款に記載しなければ有効にならない事項をいいます。現物出資、財産引受、株式の譲渡制限に関する事項、株主総会の招集期間の短縮、役員の任期、会社の機関、公告方法などがあります。

・任意的記載事項
定款に記載せず、株主総会や取締役会で定めた規則で規定しても差し支えない事項ですが、定款の内容を明確にするために記載するものです。定時株主総会の招集時期、招集権者、定足要件などの運営方法に関する事項や事業年度、取締役の人数などがあります。

定款の認証
発起人が作成した定款は、公証人の認証を受けなければなりません。認証は、設立会社の本店所在地を管轄する法務局に所在する公証役場で行います。定款は、事前に公証役場にドラフトを送り、内容や書式について公証人によるチェックを受けることができます。公証役場には、発起人全員が実印を押印した定款3通、発起人全員の印鑑証明書、実印、代理人に委任する場合には委任状などを持参します。発起人が法人の場合には、当該法人の登記簿謄本、当該法人の法人印や印鑑証明書などが必要です。定款認証費用は約5万2000円です。そのほか、紙の定款の場合には、定款に貼る印紙代として4万円必要ですが、電子定款の場合には、必要ありません。

印鑑の作成
会社設立の書類を作成する上で、会社法人用の印鑑が必要になります。登記の際には1cm以上3cm以内の正方形に収まる印鑑を登録します。登記の際には法人の実印だけを登録しますが、これ以外に、銀行印や社判などがあると便利です。

資本金の払込
定款の認証後、発起人全員が発起人の個人口座に入金または振込を行います。発起人が複数の場合には、いずれか一人の口座に振込を行います。口座の残高が出資金額分あるというだけでは不十分で、出資金額の新たな入金があることが必要です。登記申請の際には、払込があったことを証する書面を作成し、通帳の写し(表紙、表紙を開けた次のページ、入金が記帳されているページ)を添付して提出する必要があります。

募集設立の場合
発起人による定款の作成、公証人による定款認証、発起人による株式の引き受け、発起人による出資の履行までは、発起設立と同じです。発起人は少なくとも1株以上の引き受けをして出資しますが、発起人全員の同意で募集条件を定めた後、発起人が募集を行い、これに応じて株式を引受けたい者が申込をし、申込を受けた発起人が申込人に株式を割り当てます。株式引受人は、払込金額全額の払込を行います。全額の払込みが完了したら、発起人は金融機関の払込金の保管証明、設立時募集株式の通知や株式申込証の発行などの必要書類も追加で準備する必要があります。募集設立の場合には、設立時募集株式の払込完了後に創立総会を開催し、設立時取締役の選任を行います。設立時取締役は、設立時代表取締役の選任を行い、設立時代表取締役は会社の設立に関する事項を決議することになります。

登記申請
定款の認証と資本金の払込みが終了したら、管轄の法務局に登記申請を行います。登記の申請日(法務局が受理した日)が会社の設立日になります。登記申請の必要書類は、登記申請書、認証を受けた定款、役員の就任承諾書、役員の印鑑証明書、資本金の払込を証明する書面、印鑑届出書などがあります。定款で本店所在地を地番まで記載しなかった場合や、定款に発起人が割当てを受ける株式数や払い込むべき金額、資本金や資本準備金の額が定められていない場合には、発起人決定書が必要です。また、現物出資がある場合には、現物出資を行う発起人による現物出資財産引継書、設立時取締役による調査報告書、資本金の額の計上に関する証明書の提出も必要です。登録免許税は、資本金の額の1000分の7ですが、この金額が15万円に満たない場合には1件について15万円となります。登録免許税は、収入印紙を購入して登記申請書の印紙貼用台紙に貼る方法と、法務局が指定する口座に振り込み、銀行からもらう領収書を台紙に貼る方法があります。登記は、出資金の払込みが終わった日から2週間以内に申請します。登記が完了するまでの期間は、1週間から2週間ほどです。

2 合同会社の設立

基本的事項の決定と定款の作成

合同会社を設立する場合も、株式会社の場合と同様に会社の基本的な事項を決定し、定款を作成することが必要です。合同会社の定款の絶対的記載事項としては、商号、事業目的、本店所在地、合同会社の社員(出資する人)の氏名と住所、社員が有限責任社員であることを示す記載、社員の出資の目的と出資価額または評価の基準があります。相対的記載事項としては、業務執行社員や代表社員、出資の払い戻し方法、解散事由、会社の存続期間などがあり、任意的記載事項としては公告方法、事業年度、役員報酬などがあります。合同会社の場合、株式会社の場合と異なり、公証役場で定款を認証してもらう必要はありません。

資本金の払込
定款作成後、出資金を払込み、通帳のコピーや払込証明書を作成します。合同会社の場合には、株式会社と異なり金融機関を通さず、直接合同会社に対して払込を行うことも可能です。

登記申請
資本金の払込みが終了したら、管轄の法務局に登記申請を行います。必要書類は、登記申請書、定款、代表社員の印鑑証明書、払込みを証する書面、印鑑届出書が必要です。定款で詳細な本店所在地、設立時の代表社員、設立時の資本金の額を定めていない場合には、代表社員、本店所在地及び資本金の決定書が必要です。登録免許税は資本金の額の1000分の7の額ですが、この額が6万円に満たない場合には、最低6万円です。

3 設立に関する費用の比較

株式会社や合同会社の設立に関して必要な費用をまとめると次の通りです。


弁護士報酬
栗林総合法律事務所は、株式会社、合同会社を含め、各種の会社設立を多く扱ってきております。また、外国法人の日本子会社の設立、支店の設置、営業所の開設などの手続きも多く扱います。日本に住所を有する人が発起人となって会社を設立する場合の弁護士報酬は30万円を基本としています。外国法人が発起人となって会社を設立する場合(外国の会社の子会社の設立の場合)の弁護士報酬は50万円を基本としています(但し、親会社の定款の翻訳料を除きます)。

会社設立弁護士報酬(消費税別
   株式会社     合同会社   
 日本人が発起人の場合  30万円  30万円
 外国法人の子会社の場合  50万円  50万円


支店設置、営業所開設
   支店設置       営業所開設届
 日本の会社の場合  20万円    20万円
 外国法人の支店・営業所  30万円   30万円




投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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