• 2020.09.01
  • 一般企業法務

会社設立後の各種届出

税務署への届け出

法人や支店を日本で設立したときは、税務署への届け出が必要です。法人を設立した場合には、会社設立の日から2カ月以内に、法人の所在地を管轄する税務署に、法人設立届出書を提出しなければなりません。また、支店を設置した場合には、会社を設立した場合と同様に、支店設立の日から2カ月以内に、支店の所在地を管轄する税務署に、支店の設置届を提出することが必要です。

日本で従業員や役員に給与を支払う場合には、給与支払い事務所等の開設届出書を提出します。代表取締役などの役員に対し役員報酬を支払う場合にも必要です。

法人税、地方税、消費税については事業年度終了の日の翌日から2か月以内に税務署に対して申告を行う必要があります(申告納税制度)。確定申告には、申告手続きが簡単ですが税金の優遇が受けられない「白色申告」と、申告の手続は複雑ですが税制の優遇が受けられる「青色申告」の2種類の申告方法があります。青色申告による税制の優遇をうけるためには、青色申告の承認申請書を提出しておく必要があります。

また従業員が10人以下の事業所の場合、本来であれば毎月納めなければならない源泉所得税を年2回の納付にすることができます。この特例を受けるためには、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書も用意する必要があります。さらに、都税事務所や市町村にも法人設立届出書を提出する必要があります。

労働基準監督署

代表取締役1人だけの会社については、労働基準監督署やハローワークへの届け出は必要ありません。日本に設立した法人が従業員を1人でも雇う場合には、労働保険への加入が必要になります。労働保険には、労働者が勤務中に病気・ケガ・死亡した場合の保障である労災保険と、労働者の失業や会社の倒産を保障する雇用保険の2種類があります。労災保険については、労働基準監督署に、雇用保険については、ハローワークに必要書類を提出します。労災保険は、アルバイトなども対象になります。具体的には、労働保険関係設立届、労働保険概算保険料申告書などを提出する必要があります。従業員が10人以上の場合は、就業規則を作成し届け出る必要があります(労働基準法89条)。従業員に時間外労働(残業)を行わせる場合は、36協定書を締結し、届け出る必要があります。

ハローワークへの届け出

従業員を1人でも雇う場合には、雇用保険の加入が義務付けられます。雇い入れから10日以内に、雇用保険適用事業所設置届、雇用保険被保険者資格取得届を提出する必要があります。

社会保険事務所への届け出

法人等の社会保険の適用事業所で最初に従業員を採用したときは、採用後5日以内に、健康保険・厚生年金保険新規適用届を提出します。従業人の人数に関係なく代表者が1人の会社であっても、社会保険の加入が必須となります。また、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の提出も必要です。その他、健康保険の被保険者(従業員)に被扶養者がいる場合には、健康保険被扶養者(異動)届、被保険者(従業員)の配偶者が被扶養者である場合には国民年金第3号被保険者資格取得届を提出することになります。

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