代表弁護士ブログ

2020年7月 6日 月曜日

取締役会の運営

取締役会の招集権者
取締役会は、各取締役が招集すると定められていますので(会社法366条1項)、どの取締役も取締役会を招集する権限があるのが原則です。

招集権者の決定
但し、定款又は取締役会で取締役会を招集する取締役をだれにするかを定めた場合は、その取締役が招集することになります。

他の取締役による招集請求
その場合でも、他の取締役は、招集権者に対して取締役会の目的である事項を示して取締役会の招集を請求することができます(会社法366条2項)。他の取締役から取締役会の招集請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集通知が発せられない場合は、その請求をした取締役は、自ら取締役会を招集することができます(会社法366条3項)。

株主による取締役会の招集
取締役会設置会社の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為、その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができます(会社法367条1項)。株主から取締役会の招集請求があったにもかかわらず、請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集通知が発せられない場合は、その請求をした株主は、自ら取締役会を招集することができます(会社法367条3項)。この場合、その株主は当該請求に基づき開催された取締役会や、自ら招集した取締役会に出席して意見を述べることができます(会社補j367条4項)。

取締役会の招集手続き
取締役会を招集するものは、取締役会の日の1週間前までに、各取締役に対して招集通知を発しなければなりません(会社法368条1項)。但し、招集通知を受けるのは各取締役の権利ですので、自分に対して招集通知が来ていない場合であっても招集通知を受ける権利を放棄した場合は、招集通知がなされていないことは手続きの瑕疵にはなりません。また、全員が出席した場合や全員から同意があった場合は、招集手続きなしに取締役会を開催することができます(会社法368条2項)。この場合招集手続きなしに開催されたことを取締役会議事録に記載しておく必要があります。


取締役会の決議方法
取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(定足数)が出席し、その過半数でもって行うとされています(会社法369条1項)。定款に定めのある場合を除き、単純多数決によって議案の採否が決定されることになります。

取締役会議事録の作成
取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより議事録を作成し、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならないとされています(会社法369条3項)。取締役会に参加した取締役で、議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定されることになります。取締役への貸し付けなどの議案において、将来株主から損害賠償請求がなされたような場合に、取締役会議事録に異議を述べておいたかどうかで責任の範囲が変わってくることになります。

全員の賛成がある場合の決議の省略
取締役会設置会社において、取締役が提案した決議事項について、全取締役が賛成する場合は、取締役会の決議を省略することができます(370条)。この場合の取締役会議事録は、前取締役が議案に賛成したので、決議を省略してなされた旨を記載することになります。

取締役会議事録の備置き
取締役会設置会社においては、取締役会の日から10年間、取締役会議事録を本店に備えおかなければならないとされています(会社法371条1項)。

株主による閲覧謄写請求
株主は、その権利行使に必要な場合は、株式会社の営業時間内はいつでも、議事録の閲覧又は謄写の請求をすることができるのが原則です(会社法371条1項)。但し、監査役設置会社や監査等委員会設置会社については、取締役会議事録の閲覧謄写については、事前に裁判所の許可を得る必要があります(会社法371条3項)。これは監査役設置会社においては取締役の違法行為については第一次的には、監査役などが監視を行うべきと考えられるからです。

債権者による閲覧謄写請求
また、取締役会設置会社の債権者は、役員または執行役の責任を追及するために必要な時は、裁判所の許可を得て、取締役会議事録の閲覧・謄写を請求することができるとされています(会社法371条4項)。

取締役会議事録の閲覧謄写請求に対する裁判所による許可
裁判所は、株主や債権者から取締役会議事録の閲覧謄写の請求があった場合においても、その請求による閲覧謄写を認めることで、会社またはその親会社や子会社に著しい損害が及ぶと認められる場合は、その許可をすることができないとされています(会社法371条6項)。会社の議事録閲覧謄写請求においては、「著しい損害」を及ぼす恐れがあるか否かをめぐって争われることになると思われます。


投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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