代表弁護士ブログ

2020年7月 7日 火曜日

代表訴訟について

株主による訴訟提起の請求
6か月前から引き続き株式を有する株主は、株式会社に対し、役員の責任を追及する訴えの提起を請求することができます(会社法847条1項)。但し、株式の譲渡制限のある非公開会社については、「6か月前から引き続き」という要件はありませんので、株主であればいつでも請求を行うことができます。

責任追及の訴えを提起することの請求を受けた株式会社は、請求の日から60日以内に責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主から請求を受けたときは、当該請求をしたものに対し、責任追及の訴えを提起しない理由を通知しなければなりません(会社法847条4項)。

株主による訴訟提起
株主から訴訟提起の請求があったにもかかわらず、会社が請求の日から60日以内に訴訟提起をしない場合、当該請求をした株主は、会社のために、責任追及の訴え(いわゆる代表訴訟)を提起することができます(会社法847条第3項)。また、60日の期間の経過を待っていたら会社に回復することのできない損害が生じる恐れがある場合は、60日の経過を待たずに直ちに責任追及の訴えを提起することができるとされています(会社法847条5項)。

代表訴訟の相手方
代表訴訟の相手方となる役員には、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人、清算人などがあります。会社に関与している役員はだれでも被告になりうることになります。

代表訴訟の請求の趣旨
代表訴訟では、株主は会社を代表して損害賠償の請求等を行うものですので、代表訴訟における請求の趣旨は、「取締役●は、株式会社▲に対し、○○円を支払え」という形になります。すなわち代表訴訟で株主が勝訴した場合、敗訴した取締役から会社に対して支払いがなされるのみで、代表訴訟を提起した株主が直接損害の賠償を受けられるわけではありません。

訴訟告知
代表訴訟を提起した株主は、遅滞なく当該株式会社に対して訴訟告知をしなければなりません(会社法849条4項)。訴訟告知を受けた株式会社は、遅滞なく、その旨を公告し、又は株主に通知しなければなりません(会社法849条5項)。公告方法は、定款で定めた方法によりますので、官報に掲載するか、日刊紙に掲載するか、電子公告を行うかになります(会社法939条1項)。但し、株式の譲渡制限のある会社(非公開会社)については、公告の方法は認められておらず、株主に対する通知を行わなければなりません(会社法849条9項)。

会社による訴訟参加
会社は、株主代表訴訟の取締役(被告)側に訴訟参加することができますが、会社が取締役(被告)側に訴訟参加する場合は、監査役設置会社においては全監査役の同意を得ることが必要とされています(会社法849条1項、3項)。

代表訴訟の訴訟費用
従前高額の代表訴訟を提起する場合には、訴状に添付する印紙の額(訴訟物の価額により計算されます)が高額になりすぎて、代表訴訟を提起できなくさせているとの批判がありました。そこで、誰でも代表訴訟が提起できるよう、訴額については、「財産権上の請求でない請求に係る訴え」とみなされ(会社法847条の4第1項)、訴訟物の価額は160万円とみなされることになりました(民事訴訟費用等に関する法律4条2項)。その結果、代表訴訟に添付する印紙の額は一律に1万3000円で足りることになりました。

管轄
代表訴訟の管轄は、会社の本店所在地を管轄する地方裁判所となります。

訴訟費用
株主代表訴訟において株主が勝訴した場合、株主は訴訟費用や弁護士費用のうちで相当と認められる額を支払うよう会社に対して請求することができます(会社法852条1項)。株主が敗訴した場合は、当該株主は会社に対してこれによって生じた損害を賠償する義務を負いませんが、株主が悪意であった場合は会社に生じた損害を賠償する必要があります(会社法852条2項)。



投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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