代表弁護士ブログ

2020年7月 9日 木曜日

成年後見人 事例

会社の創業者が認知症を発症し、経営の継続が困難になった事例で、成年後見人を選任し、創業者の有する会社の株式を上場会社に譲渡した事例

事案の概要
X会社の創業者は戦後間もないころに会社を創業し、以後50年近くにわたって会社の代表者として経営を行ってきました。ところが80歳を過ぎたころから認知症の症状が現れ、自分ではほとんど判断ができない状態になってしまいました。代表取締役社長が認知症になったために、重要な契約書への調印もできないだけでなく、株主総会の開催もできない状態になってしまいました。創業者には、子供が一人いますが、子供のほうが会社を継ぐ意思はありませんでした。

成年後見人の選任
本件では、創業者が事理弁識能力を欠くに至ったことから創業者に対する成年後見人選任の申し立てを行い、第三者である弁護士に成年後見人になってもらいました。親族が成年後見人の申し立てをする場合は、申立人自らを成年後見人とするよう申し立てることができますが、第三者の権利関係に影響を及ぼすような場合や申立人が中立性を維持することについて懸念が生じるような場合には、第三者である弁護士等が成年後見人に選任されることになります。但し、その場合でも候補となる弁護士をあらかじめ指定しておいた場合、その弁護士が選任される可能性が高くなります。

事業の売却
創業者について成年後見人が選任されても、成年後見人が会社の経営自体を行うことは困難ですので、早急に会社の代表者を選任しなければなりません。この件では、ある上場会社から創業者が有する株式を購入する旨の申し出があり、鑑定評価額により、上場会社に株式が譲渡されることになりました。その結果、会社の経営については、上場会社から派遣された役員が遂行することになり、事業承継を果たすことができました。創業者には、株式の譲渡代金として数十億円の払い込みがなされています。

経営者の認知症の問題
当事務所で扱う事案においても経営者が認知症を患っているケースがかなり多くなってきています。上記のケースは円滑な事業承継ができた場合ですが、判断能力の低下した経営者がそのまま経営に当たる場合、外部からの浸食により会社の財産を流出させ、従業員の退職などを通じて経営危機に陥ることもあります。経営者が認知症に陥った場合は、円滑な事業の承継ができるよう、他の経営者やご家族の皆様から、できるだけ早期に弁護士に相談ください。


投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office

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