代表弁護士ブログ

2020年2月26日 水曜日

栗林総合法律事務所の第2回国際セミナーを行いました。

令和2年1月30日に、栗林総合法律事務所の第2回国際セミナーを行いました。16名の参加をいただき、盛況に終えることができました。ご参加いただきました皆様には大変感謝申し上げます。セミナーのテーマは、英文による国際販売店契約で、海外のメーカーの販売店として海外のメーカーの製品を日本で販売する際に、メーカーとの間でどのような協議を行い、どのように契約書にまとめていくのがいいのかをお話ししました。販売店契約では、マージンが会社の粗利になりますので、どれだけのマージンを確保できるかが利益を生むかどうかの分かれ目になります。また、粗利の決め方がマーケットアプローチ、コストアプローチから精査されたものかどうかが重要であることについてお話いたしました。販売店契約は、国際的取引を開始する一番基本となる契約ですので、その内容をしっかり理解しておくことが重要です。海外の新しいブランド商品などを日本に紹介し、インターネットで販売することで、日本での売り上げをあげることが可能となります。

栗林総合法律事務所で販売店契約についてのセミナーを行った関係かどうか分かりませんが、ヨーロッパの会社数社から、日本のパートナー(販売店や共同開発を行う会社)を紹介してほしいと依頼がありました。当該業界の皆様で関心のある方は是非栗林までご連絡ください。秘密保持契約書を締結したうえで、相手方企業のお名前などを開示させていただきます。

(1) イタリアのマットや枕を製造するメーカーで、デザイン力のある製品を制作しております。輸入家具に興味のある方は是非ご連絡ください。
(2) イタリアのソックスやセーターを制作する会社です。ファッション性の高いソックスやセーターを制作しています。
(3) イタリアの化学薬品の製造工場です。薬品の研究開発を行っている会社が、日本のパートナーとなる会社を探しています。

また、上記とは反対に、日本の企業の皆様でヨーロッパでの販売を希望される方も是非ご連絡ください。栗林総合法律事務所では、ヨーロッパに所在する提携パートナーを通じて、貴社の属する業界で、ふさわしいパートナーとなる販売店を探索し、ご紹介させていただきます。日本の中小企業であっても優れた商品を開発することで、ヨーロッパにおける新しい市場にアクセスすることが可能となります。


投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office | 記事URL

2020年2月25日 火曜日

民法改正のポイント

民法改正で契約書のどこを変える必要がありますか
 
令和2年4月から改正民法が適用になります。改正民法の適用により契約書のどこをどのように改正する必要があるのかをまとめてみました。なお、改正民法施行日前に締結された契約書には現行民法が引き続き適用されます。しかし一部には例外的な経過規定もあり、改正民法施行日前に締結された契約であっても改正民法の適用となることがありますので、どこがどう変わるのかを把握しておくことが必要となります。

1 契約不適合 
⇒民法改正により、従来の「瑕疵」という言葉が、「契約の内容に適合しないもの」という言葉に変わりました(562条)。もし契約書中の「瑕疵」という文言があるならば、「契約の内容に適合しない」「契約不適合」等に置き換えるのがよいでしょう。また、瑕疵担保責任は、債務不履行責任と統合され、契約不適合責任の規定が特定物・不特定物を問わず適用されることになりました。契約不適合の対象は原始的な瑕疵に限らず適用されることになります。さらに、買主側には解除、損害賠償に加え、追完請求、代金減額請求も認められました。なお、これらの手段の選択権は売主にあります(562条 563条)。損害賠償請求には、一般の債務不履行における損害賠償と統合され、売主の帰責性が必要になりました(415条但し書き)。解除についても一般の債務不履行の規定が適用されます。
契約不適合の主張の期間制限についても、従来は1年以内の請求が必要とされていたのに対し、買主が契約不適合を知った時から1年以内に通知をすれば足りるとし、また、数量や移転した権利に関する契約不適合を理由とする権利行使については期間制限が設けられていません(566条)。これらの権利行使の期間制限は166条1項の適用によって消滅時効によると考えられます。

●解除および損害賠償
⇒ 解除 それまでの判例法理にあった、債務不履行の程度が軽微な場合、契約解除が認められないという抗弁(軽微性の抗弁)が明文化されました(541条)。契約書中の解除事由に該当するとしても、債務不履行の程度が軽微ならば解除はできないと思われます。また、債務者に帰責事由がない場合でも債権者に契約解除が認めました(541条)。代わりに、債務の不履行につき債権者に帰責事由がある場合には、契約解除ができないことが明記されました(543条)。履行不能の場合も同様に債務者の帰責事由が必要なくなりました。契約書中に債務者に帰責事由がある場合に解除ができる等の条項があると、民法と比べ債権者側に不利な条項となりますので注意が必要です。
⇒ 損害賠償 まず、履行不能についての定義が明文化されました(412条の2第1項)。また、履行不能でも債務者に帰責事由がない場合には損害賠償請求ができないことが明文化されました(415条第1項)。

● 時効
⇒ 債権については、各種の短期消滅時効がすべてなくなり、現行民法の「権利を行使することができる時から10年間」という客観的な起算点による消滅時効(166条1項1号)に加えて、「権利を行使することができることを知った時から5年間」という主観的起算点の条項が追加されました(166条1項2号)。不法行為による損害賠償請求権の期間制限については、「不法行為の時から20年間」という客観的起算点による規律は、消滅時効となりました。(724条)。一方で人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効については、債務不履行と不法行為のいずれによるものであっても、損害・加害者を知った時から5年間、客観的起算点から20年間に統一されました(167条・724条の2)。
⇒現行民法の時効の「中断」「停止」は「更新」「完成猶予」という概念に改められ、内容も見直されました。
⇒取引実務においては債権者と債務者の双方が会社であることが多く、商法の短期消滅時効が適用されていたのですが、短期消滅時効が廃止され、民法の適用がされることとなったので注意が必要です。

● 債権譲渡 
⇒改正民法では、譲渡禁止(改正民法では、「譲渡制限」と呼ばれます)の意思表示がある場合にも債権譲渡を有効であるとされています。(466条2項)。ただし、譲渡制限が定められていた場合、債務者は供託をすることができ(466条の2第1項)、また、譲渡禁止条項につき知っていたまたは知らなかったことについて重大な過失のある第三者に対する履行を拒絶することができます(466条3項)。
⇒ 例外的に預金口座または貯金口座に係る債権(預貯金債権)については、譲渡制限特約につき知っていたまたは知らなかったことに重大な過失のある譲受人との関係では、債権譲渡は無効となります(466条の5)。
⇒取引実務においては契約書に譲渡禁止特約が規定されている場合が多いかと思います。上記の通り、その場合であっても取引の地位の譲渡は有効となり、譲渡された第三者が契約の当事者となります。履行拒絶や供託等の手段はありますが、契約上の地位の譲渡がされることは避けられません。その点について留意しておくこと、契約書において譲渡禁止特約違反を契約の解除事由とする、譲渡禁止特約違反について違約金をさだめる等の定めを明記することが必要です。また、改正民法施行日以後になされた法律行為(債権譲渡契約、債権譲渡担保契約、権利質設定契約等)に基づく債権譲渡には、改正民法が適用されます。したがって、改正民法施行日前に譲渡禁止特約が付されていても、改正民法施行日以後は債権を有効に譲渡することができます(改正民法附則22条)。

●保証
⇒ 改正民法では、個人根保証契約全てにおいて極度額の定めについての規律が適用されることとなりました(465条の2第1項・第2項)。そのため、改正民法施行後は、個人根保証契約を締結する際には、どのような種類の主債務であるかに関わらず保証契約締結の際に確定的な極度額の金額を書面または電磁的記録で定めておく必要があります。
⇒事業のための資金の借入れのために付される保証については、金額が大きくなる可能性が高く、個人保証人の保護の必要性が高いため、改正民法では、保証契約締結前1か月以内に当該個人によって公正証書が作成されていない限り、保証契約の効力が生じないとされました(465条の6第1項)。ただ、取締役や株主等、保証人と主債務者との間に一定の関係がある場合には、この公正証書作成義務は免除されます。
⇒ 主債務者が個人に対して、事業のために負担する債務について保証を委託する場合に、主債務者の財産や収支の状況等の情報を提供すべき義務が設けられました。(465条の10)。また、保証人になった者から請求があった場合に、債権者から保証人に対して、遅滞なく主たる債務の履行状況に関する情報を提供すべき義務も設けられました(458条の2)。
⇒ 取引実務においてよく見られる債務の発生原因である継続的契約について、自動更新条項が設けられており、継続的契約の更新とともに当該個人根保証契約も更新されると解されるような契約の場合、その更新日が改正民法施行日以後であれば、更新後は、当該保証契約も改正民法の規律に服することとなります。したがって更新時に極度額の設定が必要となってきます。もしも現行民法の適用のまま、極度額を定めないで契約を続けたいのであれば、改正法施行日までに、主債務の発生原因たる継続的契約のみ更新され、保証契約は自動更新ではなく更新に関係なく存続する旨と当該保証契約が更新後の継続的契約に基づく債務も保証する趣旨を明確にする旨を定めた契約を結びなおすことが必要となります。

● 定型約款
⇒ 定型約款についての規定が新設されました。定型約款に関する経過措置は、現行法下において締結されたものであっても、定型約款の定義に該当するものについては、改正民法施行日以後は改正民法の規定が適用されることとしています(改正民法附則33条)。
⇒定型約款の要件は定型約款準備者が不特定多数の者を相手方として行う取引であること、その内容の全部または一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものであることです。定型約款の要件を満たす限り、下記の規定の適用がされます。
1. 要件を満たした場合のみなし合意の成立(548条の2第1項)
2. 不当な条項のみなし合意からの除外(548条の2第2項)
3. 定型約款準備者の定型約款表示義務(548条の3)
4. 定型約款変更の要件・手続(548条の4)
⇒定型約款の変更については、定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき(利益変更)または定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、548条の4の規定により定型約款を変更することがある旨の定めの有無およびその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき(不利益変更)に相手方との合意なしで認められます。なお、定型約款の変更に関する規定は、改正民法施行前に締結された定型取引に係る契約にも適用されます(改正民法附則33条1項)。
⇒ 従来、"約款"と呼ばれていた「定型約款」に該当しない「約款」「規約」「書式」「ひな形」等による取引が否定されたり、その"約款"の中の規約等が、一律に合意の内容をなすものではないと判断されたりすることはありません。従来の"約款法理"、つまり、当該"約款"の内容を契約内容とする旨の当事者の同意が合理的意思として認められる限り、当該"約款"の内容が契約内容となります。

●法定利率
⇒ 改正法施行時の法定利率を年3%とし(404条2項)、また変動利率を採用し(404条3項)、改正前商法514条を廃止しました。法定利率は、契約において当事者間で利率を合意している場合には適用されませんが合意のない場合には注意が必要です。

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office | 記事URL

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