事務所ブログ

2011年12月19日 月曜日

岩手所員旅行

事務局

先日11月11日から12日の日程で、毎年恒例となっている協力事務所のはづき国際特許事務所と合同の所員旅行に行きました。今年の行先は岩手県でした。

1日目は、平泉の世界遺産群を見学しました。今年3月11日の東日本大震災に見舞われながらも、6月にその寺院・遺跡群が世界文化遺産として登録されたことで記憶に新しい平泉ですが、やはり東北初の世界文化遺産とあって数多くの観光客がいました。



平泉の目玉の一つである中尊寺には、国宝の金色堂があります。
その煌びやかな外観は美しく、また堂内には奥州藤原氏清衡、基衡、秀衡のご遺体と泰衡の首級が安置されており、一族の遺体が揃って納められているという点は世界的にも珍しいとのことで、金色堂の見学は大変貴重な経験となりました。

平泉にあるもう一つの寺院、毛越寺(もうつうじ)は、火災で焼失してしまったため本堂を含め当時の建築物は残されていませんが、大泉が池という池のある、浄土を表現した庭園があります。紅葉の時期だったため、各自散策を楽しみました。





2日目は、朝から花巻の宮沢賢治美術館に向かいました。 童話作家として有名な宮沢賢治ですが、教育や農業、仏教などにも深く携わりその活動は多彩であったことを知りました。

館内には、有名な童話や詩の自筆原稿が展示されていました。
なかでも手帳に書かれた「雨ニモ負ケズ」には感動しました。

午後は小岩井農場に行きました。
広々とした農園の中で、各自ソフトクリームやジェラート、牛乳などを堪能しました。

また昼食ではわんこそば大会を開催し、男性の部・女性の部と分かれて制限時間内で合計杯数を競い合い、大変盛り上がりました。



今年の所員旅行も、当事務所所員及び協力事務所のはづき国際特許事務所の方々との交流を深めることができ、大変楽しい時間を過ごすことができました。
また、今回岩手県が行先として選ばれた理由の一つに東北地方を活気づけたいという思いがあったため、そのような思いを実現できたという意味でも、今年は特別に有意義な合同所員旅行となりました。

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office | 記事URL

2011年12月 8日 木曜日

建物明渡強制執行の実際―賃料を払わない賃借人を借家から退去させるまで(1)

パートナー弁護士 福本 朝子

賃貸人は、長期にわたって賃料不払いを続ける賃借人には早急に建物から出て行ってもらい、新しい賃借人を見つけて賃料収入を確保したいと願います。
そこで、賃借人に建物の明渡しをさせるには、賃料支払債務の不履行に基づき賃貸借契約を解除することが大前提となりますが、後日の法的手続きに備えて内容証明郵便をもって通知をするなど証拠を残すことが望ましいです。

契約がひとたび解除されますと占有者は何ら権原なく建物に居住する「不法占有者」となりますから、直ちに建物を明け渡す義務があります。しかしながら、不法占有者から任意の明渡しを受けることは容易なことではありません。不法占有者は長らく賃料を支払えなかったわけですから、新たな引っ越し先を見つけることも引越代金を捻出することも困難な状況にあるのが通常です。往々にして、何の見通しも立たないまま長く居座ろうと開きなおってしまうのです。

そこで、建物の所有者は不法占有者を何とか追い出せないものかと、建物の外にあるライフラインを使えないようにしてしまおうか、外出中に玄関の鍵を交換して建物から閉め出そうか、など色々と知恵を絞ります。 しかし、私人が司法手続きによらず自己の権利を実現するいわゆる「自力救済」は原則として禁止されており、上記の行為は国民の住居の平穏を侵害する違法な行為として厳しく非難され、反対に不法占有者から損害賠償請求されかねません。従って、不法占有者を適法に追い出すためには、1.建物を管轄する地方裁判所に対し建物明渡請求訴訟を提起し勝訴判決を得る2.判決を債務名義として裁判所に建物明渡執行を申し立てる等の司法手続きによるしかないのです。相当の手間と時間を要することとなります。

次に、建物明渡執行までの手続き(明渡執行においては、建物の明渡を求める権利を有する建物所有者を「債権者」、建物明渡の義務を負う不法占有者を「債務者」と言います。)をおおまかにご説明致します。

1、建物明渡請求事件の判決正本等債務名義に執行文の付与を受けます。
2、必要書類一式を添えて裁判所に強制執行を申し立てます。
3、債権者と執行官が事前打合せをし「明渡催告期日」を決定します。
4、「明渡催告期日」には、執行官が現地に赴き、債務者に対し建物を強制執行実施日の前日までに明渡すよう催告するとともに、強制執行の実施に備えて債務者以外の占有者の存否、建物内部の状況等を確認します。債権者は、執行官室に備え付けの登録運送会社一覧表に基づいて業者1社を選定したうえで、当日現地に同行させて執行費用(トラック運賃・作業員日当・遺留品運搬費用・倉庫保管費用等)の見積りをさせます。債務者が不在で玄関が施錠されている場合に備えて解錠技術者も同行します。
なお、業者選定にあたって費用以外に注目すべき点は、任意の明渡があって強制執行の必要がなくなった場合のキャンセル料の発生時期です。強制執行実施日以前に任意の明渡があれば直ちにキャンセルしなければなりませんので、現地の確認を怠ることは出来ません。

なお、運送会社に支払う費用は建物1平方メートルあたり1万円が相場だという話もあり、移動距離が短いことを考えますと通常の引っ越しよりもかなり割高です。執行官には、保管費用を抑えるため遺留品の保管期間をなるべく短くして頂くよう交渉するなど、費用の減額に向けた努力も必要です。

この段階までは、執行官は、債務者に任意の明渡しを促すため、債務者の事情に最大限配慮した極めて丁寧で穏やかな対応をします。まず、債務者が荷造りをして任意に明渡しが出来るよう十分な猶予を与え、強制執行実施日を債務者の意見を聞いた上で決定します。債権者は、執行官と一緒であっても、債務者の許可なく建物内に立ち入ることはできませんし、債務者不在で解錠技術者をしても鍵が開かない場合に、鍵を壊してまでして建物内に立ち入ることも許されません。

強制執行申立から明渡催告日まで最短で2,3週間、そして、催告日から明渡の強制執行実施日まで最低1か月の猶予を設けるのが通常ですので、判決を得てから明渡完了まで最低1か月半はかかってしまうことになります。ですから、万が一にも強制執行が何らかの事情で完了されなかったということがないように、あらゆる場面を想定した抜かりのない事前準備が必要となります。

例えば、建物内に動物がいることが分かった時の対応について

強制執行実施日に、債務者不在で建物内に凶暴な大型犬が残されていたり、債務者が頑としてペットを外に連れ出さないなど、執行手続きが妨害される可能性が考えられます。残置されたペットについては、執行官がその場で値段をつけて債権者に買取らせますので、その後のペットの対応を検討しておく必要があります。
私が経験したケースでは、地域の動物愛護センターに事前に引取りを依頼しておく他(なお、愛護センターには、正式に登録している動物保護団体が複数あり、病気、高齢、凶暴など問題のあるペットでない限り ほとんどの場合ペットの引き取り先がみつかるとのことです。)、現地からセンターまでのペットタクシーを手配し強制執行開始時に待機してもらいました。ペットは幸いにも建物内におらず、ぺットタクシーも動物愛護センターも利用しなくてすみました。

次回は、強制執行実施日当日の手続きについてご説明致します。

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office | 記事URL

2011年12月 7日 水曜日

ニューヨーク州司法試験受験体験記―試験の概要

パートナー弁護士 松本 甚之助

今回、多くの方の協力のおかげで、ニューヨーク州司法試験を受験する機会に恵まれ、幸運にも合格することができましたので、その体験について書かせていただきたいと思います。

1.試験科目
ニューヨーク州司法試験は、ニューヨーク州エッセー、ニューヨーク州択一、MPT(全州統一のエッセーの試験)及びMBE(全州統一択一試験)で構成されています。

MBEは、Common Law又は連邦法に関して、Constitution(憲法)、Contract(契約法)、Criminal Law(刑法)、Criminal Procedure(刑事訴訟法)、Evidence(証拠法)、Real Property (不動産法(不動産担保含む))、Tort (不法行為法)が試験範囲となっています。

一方、ニューヨーク州のエッセーと択一は、ニューヨーク州に関する上記科目に加えて、Agency(代理法)、Commercial Paper(手形小切手法)、Conflict of Laws(抵触法)、Corporations(会社法) 、Domestic Relations(家族法)、Federal Jurisdiction(連邦裁判所の裁判権)、New York Practice(民事訴訟法) 、No Fault Insurance(無過失責任保険)、Professional Responsibility(弁護士倫理)、Partnership(組合)、Secured Transactions(不動産以外の担保取引)、Trusts(信託) 、Wills(遺言)、Workers Compensation(労働者災害補償法)が試験範囲となっております。

科目数は多いですが、どちらかというと広く浅く質問がされてきますので、それほど深い知識は要求されていません。また、きちんと見ると、日本の司法試験の科目が細分化されていますので、それほど科目数が多いかというとそうとも言えないと思います。たとえば、Contract、Real Property、Agency、Domestic Relations、Partnership、Secured Transactions、Willsなどは、日本では民法として1科目としてカウントされています。

ただ、MBEとニューヨーク両方で試験範囲となっている科目については、それぞれの違いを覚えていないといけないので、その点に気を付けた勉強が必要になってきます。

2.試験の時期・時間
ニューヨーク州の場合、7月については毎年第4週の火曜日と水曜日の2日間と定められているようです。火曜日については、MPTとニューヨーク州独自の試験(択一、エッセー)が行われ、水曜日はMBEが行われます。

初日は、New York Dayと呼ばれ、午前は3時間15分で、択一試験50問とEssay3問、午後はEssay2問とMPT1問という構成になっています。Barbriという受験予備校の指導では、午前は、択一問題に1時間(1問あたり1.2分)、Essay1問につき40分を使用し(残り時間は確認用にとっておく)、午後はEssay1問につき45分、MPTに90分使用するよう指導しています。Essayについては、午前より午後の方が、時間がかかる問題が出題されるとのことです。

2日目は、午前午後各3時間ずつでそれぞれ100問、6時間合計で200問の択一問題を解くことになっています。一問あたり1.8分で解く計算になります。

MBEについては全州で同一の日に行われており、その関係上他の州でも7月第4週の火曜日から木曜日の間で司法試験が開催されているということです。ちなみに、LLMの留学生がニューヨークと並んで多く受験をするカリフォルニア州は火曜日から木曜日までの3日間となっているそうです。

3.Laptop受験
エッセーについては、ノートパソコンを利用して答案を作成することができます。以前はパソコンを使って受験するためには、抽選に当たらないといけなかったそうですが、現在は申込者全員がパソコンで受験をすることができるようになっているそうです。

ノートパソコンで受験をする際には、SofTestという専用のソフトウェアを事前にインストールする必要があり、そのソフトウェア代金として余分に100ドルを支払う必要があります。

4.受験資格の確認手続き
事前にニューヨーク州の定める受験資格に該当する旨の確認を司法試験委員会から受ける必要があります。私が受験した際には、これが必須になった最初の年ということで時期は受験する年の4月までということでしたが、2012年以降の受験者については受験する前年の4月までということに変更になるそうなので、アメリカに留学をしてニューヨーク州司法試験を受験される方は受験資格の確認手続きの時期にご注意ください。詳細については、以下をご確認ください。

http://www.nybarexam.org/Foreign/ForeignLegalEducation.htm

なお、ニューヨーク州司法試験委員会からAccreditation(学校証明書)なるものの提出を求められますが、過去に同じ大学で受験をした方がいる場合には、出さなくて済みます。実際、私は出していませんが問題なく受験資格が認められました。

5.受験資格
上記の受験資格の確認は、ABAの認定したロースクールを卒業し所定の単位を取得したことを前提として、受験資格があるという回答がなされます。

所定の単位については、学校から説明があると思いますが、私の受験した際には、アメリカの基本法に関する授業2コマと、合計20単位の取得が要求されていました。 ただ、受験資格の要件が変更になっており、最低でも24単位の取得が必要となり、その中身についてもいろいろと制限がありますので、ニューヨーク州司法試験の受験を考えている方は、授業を登録する際には、要件を満たすよう今まで以上に注意して履修登録をしなければならないことになりますのでご注意ください。詳細については、以下をご確認ください。

http://www.nybarexam.org/Docs/Amended_Rule_520.6_April27_%202011.pdf

投稿者 Kuribayashi Sogo Law Office | 記事URL

english
アクセス



〒100-0011
東京都千代田区内幸町1-1-7
日比谷U-1ビル502号

お問い合わせ 詳しくはこちら
  • RSS配信
  • RSSヘルプ