代表弁護士ブログ

国際取引契約の作成マニュアル レターオブインテント

2011年10月28日

レターオブインテント(Letter of Intent)は、契約書の作成途中において作成される書面で、交渉の過程で合意された事項を箇条書きのような簡単な形式でまとめた書類です。当事者がそれぞれその内容を確認し、自分の意向と一致していることを確認する趣旨で、双方の当事者がサインをします。

レターオブインテントを作成する目的としては、(1)取引の基本的内容(当事者の住所、名称、目的、対象物、価格等)を確認する趣旨で作成するもの、(2)交渉の途中で、ひとまず合意された事項を確認し、今後協議すべき対象を明確にする趣旨で作成するものなどがあります。レターオブインテントの様式については特に決まりがありませんので、箇条書きのような形や、契約書の簡略版のような形を用いる場合もあります。

レターオブインテント自体は、当事者間の合意事項を確認するものですが、原則として、その内容がそのまま法的拘束力をもつものではなく、レターオブインテントに記載されていることのみを理由として、相手方を訴えることはできません。このようにレターオブインテントには法的拘束力がないというのが原則ですが、当事者が異なった意思で作成することもありますので、法的効力に関する争いを避ける趣旨で、レターオブインテントには法的拘束力がないことを書面上明らかにすることが多いと言えます。

レターオブインテントは、契約交渉の過程で、交渉で協議され合意された事項を明らかにする趣旨で作成される場合もありますので(上記(2))、そのような内容は会議議事録(minutes of meeting)と同様のものです。従って、あえてレターオブインテントの形で作成しなくても、協議の内容を会議議事録の形でまとめることでもその目的を達しえると考えられます。

タームシート(Term Sheet)も、取引の基本的事項をまとめたものですので、レターオブインテントと同様の機能(上記(1))を有することになります。国際的ファイナンスでは、タームシートが用いられますので、通常金融機関からファシリティの基本的内容についてタームシートが提示されることになり、借主はその内容を確認して、協議を行うということになります。