国際取引・国際訴訟 Q&A

国際取引・国際訴訟

国際取引・事業承継についてのQ&A

Q. Notary Publicによる証明書は必要でしょうか?



A.
 日本においては、契約書やその他の文書が間違いなく本人の意思により作成されたものであることを証明する制度として、公証人の制度があります。公証人は公の立場で署名の真正を証明することになりますので、公証人の証明した文書(例えば公正証書遺言、執行受諾文言付金銭消費貸借契約証書)については、遺言書による登記の申請が認められたり、裁判手続きを経ることなく強制執行を行うことが出来るなどの特別の効力が与えられることになります。日本の公証人は、裁判官や検察官を定年退官した人がなるのが通常で、人数も限られています。
 アメリカ等におけるNotary Publicは、国から認められた資格で、当該文書への署名が本人の署名であることを証明するなど公的な証明を行う点で日本の公証人と同様の役割を担っていますが、弁護士の秘書や銀行員もNotaryの資格を有しているなど、非常に多くの人が公証人の資格を有しています。また、日本と異なり公証役場など特別の場所に行かなくとも、銀行の窓口や法律事務所でも証明を行うなど、簡易に証明書を発行してもらえる制度となっています。
 Notaryによるサイン証明については、サインを行う人がドライバーズライセンス等をNotaryに示して本人であることを証明した後、サインを行う人がNotaryの面前で書類にサインし、Notaryが本人によるサインに間違いないことを証明する(その旨の記載を行う)という仕組みになっています。
日本の契約書においては、三文判を押したものであっても有効ですが、高額の取引等重要な契約においては、当該署名者が会社の代表資格を有し、代表資格を有するその本人が署名するものであることを証するため、法務局への届出のある会社の代表印により押印し、会社の代表印に間違いないことを証するため印鑑証明書を添付することも多くあります。商業登記簿謄本に記載のある者については、仮に真実は代表資格を有しない場合であっても表見代表の規定により、その人が会社の代表権限を有すると信じた善意の第三者は保護されることになります。また、届出のある会社の代表印が捺印されていれば、通常会社の代表者自身またはその了解の下に当該捺印がなされたものと推定されますので、同じく善意の第三者は保護されることになります。

 一方、アメリカなどでは、会社の代表者の氏名が商業登記簿謄本に登録されておらず、署名者が有効な代表権限を有する会社の代表者であるかどうか、その署名者が代表者本人であるかどうかをどのようにして確認するかが重要となってきます。高額の取引を行う場合には、署名者が会社の代表者であり、当該契約書に対して署名する権限を有していることについては、当地の弁護士による意見書を徴収しておくことが必要になります。また、同様に署名者が本当に署名者本人であることを証するためには、Notary Public(公証人)によるサイン証明書の提出を要求し、サイン証明書に記載されたサインと契約書のサインを比較し、同一の筆跡であるかどうかを確認するのが好ましいと考えられます。
 但し、弁護士の意見書やNotary Publicによるサイン証明書は、英文契約書において不可欠の文書ではありませんので、これらの書面のない契約書(通常の少額の取引では、弁護士の意見書や公証人の証明書がある方が少ない)であっても、契約書の効力自体は有効で、その効力に影響を与えるものではありません。

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