用語集

A
- ABS /ABCP
- 所有する不動産や債権など資産の信用力やキャッシュフローを裏付けにして発行される債券やコマーシャルペーパーのことをいいます。
- Affidavit(宣誓供述書)
- 証人が宣誓供述を行うものです。日本の公証人の前で宣誓供述を行い、宣誓供述書の内容を大使館で認証してもらったうえで、外国の裁判所に陳述書として提出します。外国の裁判所では日本人が作成した宣誓供述書は、一定の要件のもとで証拠として扱われます。
- Article of Incorporation(会社定款)
- 日本の会社法における定款に相当します。会社の基本的事項を定めた文書です。アメリカの州によっては、Certificate of Incorporationの言葉が使われることもあります。
C
- Client Attorney Privilege(弁護士秘匿特権)
- 弁護士と依頼者との間の通信文書については、ディスカバリーで開示される対象から外れます。依頼者がクライアントと行った訴訟に関する打ち合わせなどは開示の対象外です。
- CLO
- 資産担保証券の一種です。金融機関の事業会社などに対するローン債権を証券化した商品で、ローンの元利金を担保にして発行される債券のことをいいます。金融機関にとっては、元来流動性の劣る貸出資産を、ローンより市場性の高い債券の形態にすることができるので、より機動的に資金を調達することができるメリットがあります。実際には、金融機関からローン債権を譲り受けた特別目的会社(SPC)が債券を組成し、投資家がこれを購入することで、ローンからの元利金を投資家が受け取るという仕組みが一般的です。
- Closing(クロージング)
- 契約書に調印し、関係書類を交換したり、代金の支払を行うことをいいます。クロージングデイトを定め、その日に向けて両当事者が書類や金銭の準備をしていくことになります。
- CMBS
- 収益不動産に対するノンリコースローンを担保として証券化した商品をいいます。
- Covenants(コベナンツ)
- 日本語では誓約条項といい、契約の当事者が一定の事項を将来にわたって守っていくことを約束するものです。契約交渉においては、どのようなコベナンツを入れるかが重要になります。
D
- Default Judgment(欠席判決)
- アメリカで行われる訴訟手続に被告である日本企業が出席しない場合には、アメリカ法上有効な送達がなされている限り、アメリカの裁判所において欠席判決がなされる可能性があります。
- Deposition(デポジション)
- 裁判外での証人尋問手続をいいます。外国の訴訟においては証人が法廷に出席することが困難であることや、陪審裁判が開始する前の段階で双方の当事者が関係者から証言を入手するために行われます。
- DIP型倒産手続
- アメリカのチャプター11の手続と同じく、債務者が倒産手続申立て後も財産を管理し、再生手続を遂行していく手続です。日本の民事再生法では、原則として再生開始決定後も従前の経営者が経営を継続していくことから、DIP型倒産手続の一種とされています。
- Discovery(ディスカバリー)
- Discoveryとは、証拠開示のことです。裁判所の決定により、各当事者が有する手持ち証拠が相手方当事者に事前に開示されることになります。実際に有する証拠の提出を拒んだ場合、法廷侮辱罪にあたるだけでなく、訴訟上極めて不利な立場に置かれる可能性があります。
E
- Expert Witness(専門家証人)
- 専門家証人です。知的財産権に関する紛争で、侵害の有無や、損害額について専門家の意見書や、証人尋問が用いられることがあります。弁護士が当該国の法律について証言するのも、専門家証人に該当します。
G
- Governing Law(準拠法)
- 当該法律についてどこの国の法律が適用になるかを定めたものです。日本とアメリカの当事者が契約を締結する場合には、日本の法律か、アメリカのいずれかの州の法律がガバニングローとされることが通常です。
I
- Interrogatory(インターロガトリー)
- 質問事項書です。陪審裁判が始まる前の段階で、双方の当事者の代理人が相手方の主張を明確にしたり、事実関係について確認するために、相手方当事者に対して質問事項書を送ります。質問事項書については、当事者は一定の除外事由に該当しない限り回答する義務があります。
J
- Jurisdiction(管轄)
- 将来紛争が生じた場合に、どこの国の裁判所で解決するかを定めたものです。Jurisdictionがニューヨークになっている場合には、ニューヨークの裁判所に訴訟を提起することが必要になります。Jurisdictionについては、他国の管轄を完全に排除するエクスクルーシブな管轄と、他の国の裁判所の管轄も排除しないノンエクスクルーシブの両方があります。
- Jury System(ジューリーシステム)
- 陪審裁判官による裁判システムを言います。アメリカなどはジューリーシステムを用いていますので、訴訟については陪審員が勝敗を決定することになります。
L
- Letter of Intent(レター・オブ・インテント)
- 契約交渉の途中において、一定の取引を行うことについて両当事者が基本的に合意したということを確認する趣旨で作成されます。Letter of Intentを略してLOIとも言われます。文書のタイトルはLOIではなく、メモランダム(Memorandum)とされることもあります。LOIは、法的拘束力がないのが原則ですが、場合によっては法的拘束力が認められる場合もあります。
N
- NDA
- 秘密保持契約書(Non-Disclosure Agreement)の略語です。Confidential Agreementを略してCAとも言いますが、同じ意味です。
- Notary Public(公証人)
- 各国の政府が認めた公証人を意味します。公証人の認証がある文書については、本人が間違いなく当該書面を作成したものであることが確認できることになります。
O
- Opinion Letter(オピニオンレター)
- 弁護士・会計士など専門家の意見書をいいます。大規模のファイナンスやM&Aにおいては、相手方当事者の同一性に問題がないかどうか、相手国の法律をきちんと遵守しているかは確認が困難であることから、第三者である弁護士などの専門家から意見書をもらい、相手方当事者が当該国の法令を遵守していることを確認することが必要になります。
P
- Parties(当事者)
- 民事裁判手続における訴訟の当事者は、Plaintiff(原告)とDefendant(被告)になります。原告が提出する訴状はComplaint(訴状)、被告が提出する書面はAnswer(答弁書)といいます。
- PFI
- Private Finance Initiativeの略称で、公共施設の設計、建設、維持管理、運営等を民間主導で行う新しい手法です。民間の資金やノウハウを活用することにより、市場原理を働かせ、事業の効率化を実現し、利用者に最良のサービスを提供することを目的とします。
- Power of Attorney(パワー・オブ・アトーニー)
- 弁護士に代理権限を与える委任状を意味します。
R
- Representative & Warranty(レッパンドワランティ)
- 保証表明のことで、日本語でレッパンドワランティと呼ばれています。契約書の中で、会社が有効に存在することや、会社の代表者が有効な権限を有していることなどを確認します。
- REIT
- 平成12年11月施行の改正投資信託法により、従来「主として有価証券」しか運用対象とできなかった投資信託が新たに不動産等それ以外の資産にも投資できるようになりましたが、ここで不動産を運用対象とするものです。投資家から資金を広く募集して、賃貸オフィスビルや賃貸マンションなど、安定した収益を生んでいる不動産を取得し、その賃貸収入や売却により生じた収益から不動産の維持・管理費用や支払金利を差し引いた残りの利益を投資家に分配する、という仕組みが一般的です。
- RMBS
- 住宅ローン債権を担保として証券化した商品をいいます。
S
- Service of Complaint(訴状送達)
- 訴状の送達です。訴状の送達は、各国の訴訟手続法によるほか、条約による定めがあります。例えばアメリカの法令上有効な送達方法であっても、日本の法令上有効な送達がなされていない場合には、将来アメリカで行われた判決の効力を争うことができる可能性があります。
- Summary Judgment(サマリージャッジメント)
- 原告の主張が明らかに理由がなかったり、原告の主張が争いないと認められるような場合には、陪審裁判等の正式の裁判手続を経ずに簡単な手続により裁判所が判決を言い渡します。このような手続でなされる判決をサマリージャッジメントといいます。
T
- Term Sheet(タームシート)
- 取引の基本的条項を数ページにまとめたものです。交渉の開始にあたって、当事者の理解を明確にする趣旨で作成されます。当事者名、所在地、取引の対象、価格、支払条件、管轄、準拠法など契約書の骨格となる事項について記載されるのが通常です。
W
- Witness Examination(証人尋問)
- 証人尋問のことです。裁判官の面前で、双方の当事者から質問を行う手続をいいます。証人尋問がうまくいくかどうかは訴訟の勝敗について極めて重要な意味を持ちます。事前の入念な打ち合わせが必要になります。
あ行
- 意匠
- 意匠とは、物品の形状、模様若しくは色彩、又はこれらの結合で、視覚を通じて美感を起こさせるものとされています(意匠法2条1項)。工業デザインで、物の形状や色彩などを言います。
- 委任状勧誘規則
- 上場会社で委任状勧誘を行う場合には、被勧誘者に対して委任状と同時に参考書類を交付しなければならず(金融商品取引法施行令36条の2は、)、また委任状の用紙と参考書類は金融庁長官に提出することが必要です(同法36条の3)。但し、当該総会において議決権を行使できるすべての株主に対して参考書類及び議決権行使書面が交付されている場合は、委任状、参考書類の当局への提出義務は課せられません(委任状勧誘布令)。
- 委任状争奪戦(proxy fight)
- 株主総会に提出された議案について、賛成する側の株主と、反対する側の株主の一方又は双方が、総会の決議を成立(又は否決)させる目的で、他の株主から総会委任状を提出するよう勧誘する行為です。村上ファンドと東京スタイルの委任状勧誘事例が有名である。非上場会社の内紛事例においては、過半数の株主の賛同を得る目的で、委任状勧誘が行われることが多いです。
- 遺留分
- 被相続人の財産の中で、法律上その取得が一定の相続人に留保され、被相続人による自由な処分に制限が加えられている持ち分的利益です。遺贈ないし贈与を受けた共同相続人に対して遺留分減殺請求権を行使した場合は、減殺された財産は減殺者の元に当然に取り戻されることになります。
か行
- 会計帳簿閲覧請求権
- 会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写を請求することができる権利のことをいいます(会社法433条1項)。原則として、総株主の議決権の100分の3以上又は発行済株式の100分の3以上を有する株主に認められます。会計帳簿閲覧請求権は、経営支配権に関する訴訟や株主代表訴訟を提起するために必要な調査をなす場合などによく行使されます。
- 外国会社
- 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のものまたは会社に類似するものをいいます。
- 解雇権の濫用
- 使用者が客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合、解雇は無効となります。
- 解雇予告
- 使用者が労働者に労働契約の終了を事前に知らせることをいいます。使用者が労働者を解雇する場合、この解雇予告を解雇の30日前に行うか、解雇予告に替えて30日以上の平均賃金を労働者に支払うことが必要となります。
- 株主権確認請求訴訟
- 株主としての地位について争いがある場合に、自己が株主としての地位を有することの確認を求める訴訟のことをいいます。
- 株主参考書類
- 株主総会における株主による議決権の行使について参考となる事項を記載した書類を指します。株式会社が株主総会に出席しない株主に対して書面に基づく議決権行使を認める場合、株主総会招集の通知に際し、株主参考書類を株主に交付する必要があります。株主参考書類に記載するべき事項は、会社法施行規則第73条以下において詳細に規定されています。
- 株主資本利益率(ROE)
- 株主資本利益率(ROE)とは、株主が出資した資本に対して、企業が一定期間内にどれだけの利益をあげているかを示す指標です。企業の総資産から負債を引いた純資産(自己資本額)に対して、当該企業がどれだけの利益を生み出すことができたかを示すものです。ROEが10%の場合、自己資本額の10%の当期純利益を生み出したことになります。
- 株主代表訴訟
- 株主が会社を代表して取締役等の役員等に対して法的責任を追及する訴訟のことをいいます(会社法847条5項)。会社が取締役の責任を追及する場合には、原則として監査役が会社を代表して訴訟を提起します(監査役設置会社の場合)が、監査役がこれを行わない場合、6ヶ月以上前より引き続いてその会社の株式を有する株主は、監査役に対して取締役を訴追するよう請求することができます(ただし、非公開会社の場合には株式保有期間による制限はありません。)。この請求の後、60日を経過しても監査役が訴追しない場合に、株主は株主代表訴訟を提起できます。
- 仮処分
- 訴訟における最終的な判断(判決)が確定されるまでの間、著しい損害又は急迫の危険を避けるため、争いのある権利関係について暫定的な権利関係・法的地位を定めておく仮の処分をいいおます。
- カルテル
- 一般に、相互に独立している事業者が共同して価格、数量、取引先、販売地域等を協定して市場を支配しようとする行為のことをいいます。独占禁止法3条において「不当な取引制限」として禁止されています。
- 監督委員
- 監督委員は、再生会社の再生手続が適正に進められているかどうかを監督するため裁判所に選任された者です。通常弁護士の中から監督委員が選任されます。
- 起訴
- 検察官が裁判所に対し、被告人の事件に対する有罪・無罪の判断を決する裁判の開始を求める手続をいう。
- 競業避止に関する契約
- 会社の従業員が会社を退職したのち、一定期間競合会社に就職することを禁じる契約です。従業員が退職後直ちにライバル企業に就職する場合、ノウハウや顧客情報を含む会社の重要な機密情報が外部に流出する可能性があることから、競業避止に関する契約も一定の合理性を有すると言えます。しかし、就業の機会を奪うことは従業員の職業選択の自由を制限することになるから、競業避止契約については、当該従業員の地位や、報酬、業務内容などを考慮し、期間、地域、業務の範囲などについて合理的制限がなされている場合にのみ有効とされています。従業員との競業避止義務は、企業防衛の観点からの重要であるので、その内容については、法的効力が否定されることのないよう十分に注意を行う必要があります。
- 協議離婚
- 当事者双方及び成年二人の証人の署名捺印のある離婚届用紙を届け出ることにより成立する離婚です。
- 強制執行
- 建物明渡の強制執行は、公正証書や和解調書、確定判決などの債務名義に基づいて行います。執行官が鍵を開錠し、建物の内部に立ち入り、専門の引越し業者を使って、賃借人が使用する家具や家財道具を執行官が指定した倉庫に移転させます。
- 寄与分
- 被相続人の財産の維持または増加につき特別の寄与をした共同相続人がいる場合に、寄与分を金銭的に評価し、これを相続財産から控除したものを相続財産とみなし、このみなし相続財産を基礎として各相続人の相続分を算定します。寄与者には本来の相続分(法定相続分または指定相続分)に一定の加算(寄与分)として、相続人間の実質的な均衡を図ろうとする制度です。
- キルビー事件(最高裁平成12年4月11日)
- 特許に無効理由があることが明らかであるときは、特許無効審判が確定する前であっても、裁判所は当該特許権による差止め、損害賠償の請求を認めないことができる旨判事しました。その後、特許法の改正により、特許権の侵害訴訟で、当該特許が無効審判により無効とされると認められるときは、特許権者は権利行使することができないことが明らかになりました。したがって現在では、侵害訴訟において被告は抗弁として特許無効を主張することができることになり、特許に無効理由があるかどうかが侵害訴訟の重要な争点となりました。
- 経営判断の原則
- 取締役は、会社との関係で受任者の立場にあり、善良なる管理者としての注意義務(善管注意義務)を負っています。他方、経営においては、不確実な状況で迅速な決断を迫られる場合が多いので、その判断を事後的・結果的に評価して注意義務違反の責任を問うのでは取締役の業務執行を萎縮させてしまいます。そこで、経営判断については、取締役の裁量の範囲が広く認められ、結果的に失敗したとしてもそれが合理的な裁量の範囲内であると認められる限り、当該取締役が責任を問われることはないとするのが妥当であり、かかる法理を経営判断の原則といいます。
- 契約締結上の過失
- 契約締結段階で当事者の一方に過失があり、それによって相手方当事者が損害を被った場合に、過失のある当事者は、信頼利益の範囲内で、相手方当事者に対して損害賠償責任を負います。契約締結上の過失の理論は、主にM&A等において独占交渉権を付与して交渉していたところ、独占交渉権を無視して他の当事者と契約を締結してしまった場合などに適用されることになります。
- 建築紛争審査会
- 建築紛争を、弁護士・建築士・その他の専門家で構成する審査会の判断により裁判外で解決する手続です。裁判と異なる解決手続であることから、ADR(Alternative Dispute Resolution)とも言われます。建築工事請負契約約款には、施主と請負業者との間に紛争が生じた場合には、建築紛争審査会に申し立てて解決することが定められています。
- 現物出資
- 金銭以外の財産による出資をいいます。具体的には、動産、不動産、債権、有価証券、知的財産権、事業の全部または一部等が考えられます。現物出資を行うには、定款に現物出資について記載することを要するほか、原則として裁判所が選任する検査役の調査を受ける必要があります。
- 公開買い付け(TOB)
- 上場会社の発行済株式の一定割合以上の株式の買い付けを行う場合には、金融商品取引法27条の2以下の規定に従い、公開買付の手続を行う必要があります。具体的には、公開買い付け開始公告を行うとともに、公開買い付け届出書を関東財務局などに提出し、一定期間経過後、応募のあった株主から平等に買付を行わなければならないとされています。上場会社の株式の買い付けについて公開買い付けが義務付けられるのは、経営支配権の移転に際して少数株主にも支配権プレミアムの分配を求める権利を与えるためです。
- 公示送達
- 訴訟の被告の住所がわからない場合には、訴訟の送達ができず、訴訟手続が進行しません。原告が必要な調査を行っても被告の現住所が判明しない場合には、裁判所に対して公示送達の申立てを行い、裁判所は裁判所の掲示板に送達を行うことを掲載します。一定期間経過後は訴状の送達がなされたものとして、被告が欠席したままでも判決の言い渡しを受けることができます。
- 公正証書
- 公証役場において公証人が作成する書面です。金銭消費貸借の場合であれば、当事者、貸付の金額、日時、返済方法などについて証書に記載され、公証人が当事者の意思を確認したうえで認証を行います。公正証書は、確定判決と同一の効力を有しますので、債務の支払がない場合には、公正証書をもとに強制執行の申立てを行うことができます。
- 公正証書遺言
- 公証人に作成してもらう遺言で、法律行為の瑕疵によって無効になることが少ないと言えます。その原本は公証役場に保管されるので、偽造や変造あるいは隠匿されてしまうおそれはありません。
- 公募 / 私募
- 不特定かつ多数(50名以上)の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘することを募集(公募)といいます。これに対し、50名未満の者のみを勧誘の相手方とする場合や、50名以上の者であっても勧誘の相手方が適格機関投資家(プロ)であって、転売を通じて適格機関投資家以外の一般の投資家に譲渡されるおそれが少ない場合を私募といいます。
- 勾留
- 裁判所が決定する被疑者・被告人に対する身柄拘束処分をいう。
起訴前の勾留と起訴後の勾留がある。前者は主に検察が被疑者を起訴するか否かを決定するためになされる身柄拘束であり、後者は裁判に備えた身柄拘束である。
- コミットメントライン
- 事業法人等が「いつでも、一定額まではいくらでも、前もって定められた金利などの条件で機動的に借入が行える」という枠の設定を、権利として銀行から確保するものです。これにより事業法人等は、資金の流動性を確保する代わりに、その銀行に対し、約束料として「コミットフィー」の支払を行う必要があります。
さ行
- 財団債権
- 破産開始決定前に生じた債権を破産債権といいますが、労働債権や租税債権の一部については政策的理由から破産申立て前に発生した債権であっても、財団債権、優先破産債権として優先的に弁済を受けることができます。破産事件の多くのケースでは、税金の滞納があり、少額の財団から一般の破産債権者への弁済ができないのが実情です。
- 裁判離婚
- 家庭裁判所に離婚訴訟を提起することにより成立する離婚です。調停を経てから訴訟を提起するのが原則です。親権者の指定・財産分与・子の監護者の指定及び養育費の額等の付帯処分等の裁判について、家庭裁判所の調査官をはじめとした事実の調査が行われます。和解による離婚も認められます。
- 債務名義
- 公正証書、和解調書、裁判所の確定判決などで、強制執行を行うために必要な資料です。裁判が確定した場合には、当該確定判決の正本を債務名義として、執行官に強制執行の申立てを行うことになります。
- 時間外労働
- 就業規則に定められた勤務時間を超過した勤務時間のことです。時間外労働については、2割5分以上(午後10時から午前5時までの残業については5割以上)の割り増し賃金の支給が必要とされています。
- 自己株券買付状況報告書
- 上場株券の発行者等が、金融商品取引法24条の6に基づき、自己株式等の買付けについて株主総会の決議または取締役会の決議があった場合に、当該決議に基づいて行った自己株式の取得状況、保有状況、処理状況等について1ヶ月ごとに提出が要求される報告書のことをいいます。
- 事後設立
- 会社成立後2年以内に、その成立前から存在した財産で事業のため継続して使用するものを会社の純資産額の5分の1以上に当たる対価で取得する契約を締結することをいいます。事後設立を行う場合には、株主総会の特別決議による承認を得ることが必要になります。
- 執行猶予
- 言い渡された刑の執行を一定期間猶予することをいう。執行猶予期間内に一定の事由がなければ、刑の言い渡しは効力を失い、その刑の執行を受けることはなくなる。
- 私的独占
- 事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法を以てするかを問わず、他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実施的に制限することをいいます(独占禁止法2条5項)。
- 支払督促
- 債務の存在自体に被告が争っていないような場合には、正式な裁判手続ではなく、簡易迅速に裁判所の判断をいただける支払督促の申立てを行うことができます。もし、被告が債務の存在を争った場合には、裁判手続は正式裁判に移行します。
- 自筆証書遺言
- 遺言者が、遺言の内容の全文、日付、氏名を全て自分で記載し署名の下に捺印して作成する遺言です。異なった内容の遺言書が複数存在する場合は、後の遺言が最終意思となり、前の遺言は取り消されたことになりますので、日付の記載は極めて重要な要件とされています。
- 準抗告
- 裁判官の行った裁判に対する不服申立て手段をいう。被疑者の勾留決定に対する不服申立ては準抗告による場合が多い。
- 少額訴訟
- 60万円以下の金額の支払を求める場合には、簡易裁判所に対して少額訴訟の申立てを行うことができます。原則として1回の期日を経て判決の言い渡しを受けることができますので、極めて簡易に判決を取得することができる手続です。
- 商標
- 商標とは文字や図形などで商品やサービスにつけた名称(いわゆるブランド)です。「コカコーラ」や「シャネル」などが典型的な商標にあたります。商標は商品の同一性識別機能、出所表示機能などを有し、商標登録を行うことで、混同を生じるおそれのある商品の販売を禁じることができます。
- 職務発明の移転に関する契約
- 会社は、従業員との間で、従業員の職務上の発明に関する特許を受ける権利を相当の対価によって譲り受けることを契約又は就業規則において定めることができます(特許法35条3項)。特許法35条4項は、「相当の対価」について、「対価を決定するための基準の策定に際して使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況、策定された当該基準の開示の状況、対価の額の算定について行われる従業者等からの意見の聴取の状況等を考慮して、その定めたところにより対価を支払うことが不合理と認められるものであってはならない」と定めています。すなわち、協議の状況や、基準の開示、意見聴取の状況などを考慮し、相当な対価を支払う場合には、当該特許発明の移転が有効と解されることになります。したがって、会社としては職務発明に関する規定を策定するとともに、相当の対価の支払がなされ、将来従業員から発明の対価の請求がなされることのないよう注意を行っておく必要があります。
- 新株発行不存在確認請求訴訟
- 新株発行の外観があるのにそのような実体がないような場合に、新株発行が不存在であることの確認を求める訴訟のことをいいます(会社法829条)。この訴訟には、新株発行無効訴訟とは異なり、提訴期間制限はありません。
- 新株発行無効訴訟
- 新株発行手続に法令又は定款に違反する重大な違反がある場合などに、その発行を一体として向こうにすることを求める訴訟のことをいいます。この訴訟は、6ヶ月(公開会社の場合)又は1年(非公開会社の場合)の提訴期間制限があります(会社法828条1項2号)。
- 新株予約権
- 株式をあらかじめ定めた一定の条件で取得できる権利です。商法改正により平成14年4月より導入されました。
- 親権者・監護権者の指定の判断要素
- ①監護の実績の尊重(現状維持、現状の尊重)②子の意思の尊重③母親(母性)の優先④面接交渉の許容性(面接交渉に柔軟に対応する意向を示している方に監護させるべきとの判断)⑤きょうだいの不分離⑥奪取の違法性(現在の監護状況の違法性につながり得る)⑦監護能力⑧経済的能力
- シンジケートローン
- 複数の金融機関がシンジケート団を構成し、各金融機関が同一の貸出条件のもと同一の契約書に基づき、融資を実行する契約形態です。借入企業側にとって、一つの金融機関では対応できないような巨額の融資を、個別金融機関との協議等の事務負担がなく受けられるメリットがあります。
他方、金融機関側も自社のリスクの範囲内での金額で参加できる他、借入企業との交渉を取りまとめるアレンジャーに指名された場合には、取りまとめ手数料を得ることができるなどのメリットがあります。
- 信託受益権
- 信託契約に基づいて行われる信託財産の管理や運用などの結果を享受する権利のことです。信託受益権は委託者に帰属する場合(自益信託)と第三者に帰属する場合(他益信託)があります。委託者が自己の財産を運用する目的で設定する特定金銭信託やファンドトラストなどは自益信託ですが、流動化や年金給付を図る目的で設定する金銭債権信託や年金信託などは他益信託です。信託受益権は原則として分割・譲渡が可能であることから、投資家の運用商品として活用されます。
- 審判
- 裁判官である家事審判官が、当事者から提出された書類や家庭裁判所調査官が行った調査の結果等種々の資料に基づいて判断し決定する手続です。
- 審判離婚
- 家庭裁判所が調停成立の見込みがない場合に調停に代えて行う審判により成立する離婚です。渉外事件以外ではあまり利用されません。
- 新BIS規制
- BIS規制とは、銀行の財務上の健全性を確保することを目的として、1988年7月にBIS(Bank for International Settlement=国際決済銀行)で合意された、銀行の自己資本比率規制のことをいいます。具体的には、銀行の自己資本を分子、リスクの大きさを分母とする比率(自己資本比率)が国際的に活動する銀行には8%以上であることを求めており(海外拠点を持たない銀行は4%)、日本では1993年3月末から適用されました(バーゼルI)。
その後、銀行の抱えるリスクの大きさ(自己資本比率の分母)をより精緻なものとするべく、2004年6月に新BIS 規制(バーゼルII)が公表され、日本では、2007年3月末から適用されました。
- 正当事由
- 普通借家契約において建物の明け渡しを求めるためには、正当事由を必要とします。正当事由としては、建物が古くなり立て替えの必要がある場合や、自らその建物を使用する必要があることなどがあります。立退き料として一定の金銭の支払がなされる場合には、正当事由の一つとして考慮されます。
- 整理解雇の4要件
- 最高裁の判例で、整理解雇の有効性の判断に際しては、①人員整理の必要性、②解雇回避の努力の有無、③被解雇者選定の合理性、④手続の合理性、の4つの要件が満たされているかどうかが基準とされるとされています。
- 整理回収機構(RCC)
- 整理回収機構は預金保険機構が100%株式を保有する株式会社で、破綻した金融機関が保有する債権の回収や、貸付先の再生支援事業などを行っています。
- セクハラ
- 相手の意に反して性的な言動や行動を行うこと。女性の男性に対する行為・言動もセクハラになりえます。
- 接見
- 外部の者が身柄を拘束された者と面会することをいう。
- 接見禁止
- 弁護人以外の者と身柄を拘束された者との接見を制限することをいう。
- 是正勧告
- 残業代の不払、就業規則の不遵守などが認められた場合に、労働基準監督署が雇い主に対して改善を行うよう是正を命じることをいいます。雇い主の側では、適切な改善措置を講じ、改善報告書を提出することが義務付けられます。
- 設立費用
- 会社の設立事務の執行のため必要な費用のこといい、発起人は、原則として、定款に記載した金額の限度でのみ設立費用を成立後の会社に対して請求できます。ただし、設立費用のうち、定款の認証手数料・印紙税、払込取扱金融機関に支払う手数料・報酬、検査役に対する報酬、設立登記のための登録免許税額は、金額に客観性があるため、定款に記載がなくても当然に成立後の会社の負担になります。
- 宣誓供述書(affidavit)
- 宣誓供述書とは、公証人その他宣誓を司る者の面前で宣誓した上、記載内容が真実であることを確約し、署名した書面をいいます。
- 損金
- 会計上は、収益から費用を差し引くことで利益を計算しますが、法人税では、所得は益金から損金を控除することで計算されます。債権者が債権放棄を行った場合に、損金として認められるためには、債権者の協議による債務整理がなされているなど、一定の要件を満たす必要があります。
た行
- 第三者割当増資
- 株主であるか否かを問わず、特定の第三者に新株を引き受ける権利を与えて行う増資の方法の一つです。株式を引き受ける申し込みをした者に対しては、新株もしくは会社が処分する自己株式が割り当てられることとなります。第三者割当増資は、会社の株主資本を充実させ、財務内容を健全化させますが、既存株主にとって、持株比率が低下するうえ、不公正な価格で新株発行等が実施された場合に経済的な不利益を被るおそれもあるので、発行手続は会社法により、既存株主に配慮した形で詳細に決められています。特に新株を「特に有利な価格」で発行するときは、会社の取締役は株主総会でその理由を開示して特別決議を経る必要があります。
- 大量保有報告書
- 金融商品取引法27条の23第1項に基づき、上場会社の株券等を5%を超えて保有した場合に、当該保有者に提出が義務づけられる書類のことをいいます。
- 中小企業経営承継円滑化法
- 平成20年10月に施行された法律で、中小企業における事業承継を円滑に行うため、中小企業のオーナーから承継人が株式の贈与を受けた場合に、贈与を受けた株式の価格を遺留分の算定の基礎となる財産の額に含めないことをあらかじめ相続人間で合意した場合に、そのような合意の効力を法律上も有効と認めるという内容の法律です。長男が創業者である父親から会社の株式を譲り受け代表者として経営を承継した場合に、将来他の兄弟から遺留分減殺請求などがなされないことで円滑な事業承継が図れるメリットがあります。合意の内容については、家庭裁判所の許可を得ることが必要となります。
- 中小企業再生支援協議会
- 中小企業再生支援協議会は、中小企業の再生の支援を行う機関として国が認定した機関です。全国の都道府県に設置され、再生事例について中小企業からの相談を受け、助言や支援を行うとともに、再生案件について弁護士、公認会計士その他の専門家を派遣するなどの活動を行っています。
- 調停前置主義
- 家事審判法17条に規定する「家庭に関する事件」については、訴訟を提起する前に、まず家庭裁判所の調停に付されなければならないとされています。家庭に関する事件は、公開の法廷で争うことに馴染まないこと、事件終了後の円満な関係形成のためには具体的に適正妥当な解決を目指すべきこと、経済的に弱者であることが多い妻の立場を速やかに保護するには、簡易迅速に解決をはかるべきであることから、調停前置主義が採用されています。
- 調停離婚
- 家庭裁判所に対して「夫婦関係調整調停」を申し立て、調停によって成立する離婚です。離婚に反対する側が夫婦の円満和合を求めて調停を申し立てる場合もあります。親権者が決まらなければ調停離婚を成立させないのが通常です。離婚についての合意は成立しなくとも、当面別居する旨合意し、別居期間中の婚姻費用や未成年者の監護者、別居親との面接交渉等を定めるいわゆる「別居調停」を成立させることもあります。
- 帳簿閲覧請求
- 株主又は株式会社の債権者が株主総会議事録の閲覧を請求することをいいます。株式会社は、株式総会議事録を本店に10年間、支店に5年間備え置かなければならず、営業時間内の帳簿閲覧請求に対して応じなくてはなりません。
- 著作権
- 著作権は、思想や感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術、音楽の範囲に属するものとされています。小説や学術書の記述内容だけでなく、ホームページの原稿や、音楽なども著作権として保護されますので、他人のホームページの原稿をコピーしたり、音楽を商業目的で勝手に使用することが著作権法違反になります。
- 定款認証
- 法定の事項を記載して発起人全員が署名または記名押印した定款を、公証人に認証してもらうことをいい、定款が真正に作成されかつ内容が適法であることを確保する目的で行われます。
- 定期建物賃貸借
- 定期建物賃貸借は、期間の定めのある賃貸借契約においてあらかじめ書面により契約の更新がなされないことを定めた賃貸借契約です。家主としては、賃貸借期間の満了後、正当事由その他何らの理由を必要とすることなしに、期間の満了後建物の明け渡しを求めることができます。
- デット・ファイナンス
- エクイティ・ファイナンスに対し、借入れによる資金調達をデット・ファイナンスといいます。社債発行や銀行借入など、他人資本を増加させることになります。
- 転換社債型新株予約権付社債
- 社債に新株予約権が付された形態で発行される債券です。新株予約権の分離譲渡はできません。商法改正により、新株予約権制度が創設されたことに伴い設けられました。新株予約権の行使があると、社債部分の金額が、そのために払込まれたとみなされます。新株予約権の行使により発行される株式数や、新株予約権を行使できる期間などは、あらかじめ決められています。
- 動産売買先取特権
- 商品を販売したものは、法律の規定に基づき当然に(当事者間の合意なしに)当該商品に対する担保権(当該商品を優先的に返還を受ける権利)を取得することになります。販売先が当該商品を占有したまま倒産した場合には、当該商品を差し押さえることで商品の返還を受けることができます。取引先が既に第三者に販売している場合であっても、第三者に対する債権を差し押さえることで、優先的に支払を受けることができます。動産売買先取特権は、取引先の倒産の場合でも有効に存続しますので、債権回収において非常に便利ですが、商品の特定を行い、差押えを行うことが必要になってきます。
- 投資事業有限責任組合
- 投資事業有限責任組合契約に関する法律によって定められた組合です。すべての投資家が無限責任を負う民法上の任意組合とは異なり、無限責任組合員と有限責任組合員で構成されており、組合契約を締結することで成立します。契約後は速やかに登記する必要があります。
無限責任組合員とは、組合の業務を執行することができる組合員で、組合の債務について無限に責任を負います。無限責任組合員が複数いる場合には多数決で業務執行の決定を行い、債務についても連帯して負担します。 一方、有限責任組合員は出資した限度でしか責任を負いません。
- 同時破産廃止
- 裁判所が破産開始決定と同時に、破産手続を終結させる決定を行う手続。個人破産の申立て事件において、破産者にみるべき財産がなく、申立てが誠実に行われていると判断される場合には、管財人を選任して、破産管財業務を行わせる必要がないことから、同時廃止の決定がなされることがある。この場合、裁判所に納付すべき予納金20万円が必要なくなることから、個人破産申立てについては、同時廃止の決定がなされることに意味がある。同時廃止がなされるためには、
- 破産申立てが代理人弁護士によって行われていること
- 不動産を所有していないこと
- 保険その他の有価証券を有していないこと
などが必要になります。
- 同族会社
- 同族会社とは、法人税法において定義されており、簡潔に言えば、三人以下の株主により、実質的にその会社の株式の50%超を所有されている会社のことをいいます。ただし、一般的には、同族会社といった場合には、会社の所有と経営の大部分が家族及び親族によって占められている会社、という程度の意味で使われる場合が多いです。
- 特別目的会社(SPC)
- SPCとはSpecial Purpose Companyの略称で、資産の流動化や証券化において利用する目的で設立された会社のことです。SPCは、例えば、資金調達しようとする企業等が担保資産をSPCに一旦譲渡することで、資産を企業から分離し、企業等の倒産リスクから隔離するための役割を果たします。SPCに資産が譲渡されることによって、社債権者は譲渡された資産から発生する収益を安定的に受け取ることが可能になります。
- 匿名組合
- 商法の規定に基づき、当事者の一方(匿名組合員)が相手方(営業者)の営業のために出資をなし、その営業により生じる利益を配分すべきことを約する契約のことをいいます。匿名組合員は原則として出資した限度でしか責任を負いません。なお、営業者は複数の匿名組合契約の締結が可能ですが、匿名組合員相互間の法律関係は存在しません。
- 取引相場のない株式の評価方式
- 取引相場のない株式の評価方法については、国税庁の財産評価基本通達により株式の発行会社の規模に応じて、大会社、中会社、小会社に区分されて評価されることが定められています。財産評価基本通達では、取引相場のない株式の評価は原則として、大会社は類似業種比準方式により、中会社は類似業種比準方式と純資産方式の併用方式により、小会社は純資産方式によるとされています。但し、同族株主以外の株主などについては、特例方式として配当還元方式を用いることができます。したがって、非上場会社の株価の算定に当たっては、発行会社の規模による区分を明確にするとともに、同族株主などに該当するかどうかによって、原則的評価方法が適用になるか、特例的評価方式が適用になるかを確認する必要があります。
な行
- 内部統制報告書
- 上場会社が、金融商品取引法24条の4の4に基づき提出することを求められる、当該会社の属する企業集団及び当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要な体制について評価した報告書のことをいいます。
- 任意組合(民法上の組合)
- 民法の規定に基づき、各当事者が出資をなして共同の事業を営むことを約する合意によって成立する団体をいいます。法人格はありません。そのため、各組合員が権利の行使、義務の履行をすることになります。投資事業有限責任組合とは異なり、全ての組合員が出資することになります。また、登記等を行う必要もありません。
- ノンリコースローン
- 借入人が保有する特定の資産(責任財産)から生ずるキャッシュフローのみを裏付けとして債務の履行がなされるローンをいいます。オリジネーターリスクを切断するため、資産流動化案件のノンリコースローンの借り手には、責任財産を当初保有するオリジネーターではなく、オリジネーターから責任財産を譲り受けた特別目的会社(SPC)や信託銀行がなるのが一般的です。
は行
- 破産管財人
- 破産管財人は裁判所により指名され、債権の調査、破産財団に属する財産の換価・回収を行い、債権表に基づき、債権者への分配を行うものです。破産管財人は、破産財産に属する全ての財産について管理処分権を有していますし、訴訟についても管財人の名前で行うことになります。
- パワハラ
- 上司が部下に対して性的要素を伴わない不当な有形又は無形の圧力をかけることをいいます。
- 被疑者
- 起訴される前の事件の容疑者をいう。
- 被告人
- 起訴された者をいう。
- 否認権
- 破産申立て直前に、債権者の平等を害する不当な債務の弁済行為が行われたり、極めて安い価格で資産の売却行為がなされた場合、債権者間の公平が害されることになります。このような場合、破産管財人は、債権者の平等を図るため、裁判所に対して否認訴訟を申立て、当該偏頗弁済行為や不当廉売行為を取り消すことができます。
- 秘密証書遺言
- 遺言の内容と氏名を自署して捺印した書面を封筒に入れ封印したものを公証人に遺言書であることを署名してもらう遺言です。遺言の内容を秘密にすることが出来ます。
- ファンド
- 投資家から集められた資金を専門の委託会社(運用会社)が運用し、その成果を出資額に応じて投資家に還元するものです。元本保証はなく、リスクもリターンも投資家に帰属するのが特徴です。
- フィナンシャルアドバイザー
- 再生会社が新スポンサーを選任するにあたって、公正な手続を経てスポンサーが選任されるようスポンサーの選任手続を執り行うのがフィナンシャルアドバイザー(FA)です。スポンサー会社は、スポンサー候補先企業の中から入札方式により選任されるのが通常です。
- 不起訴
- 検察が起訴をしないと判断することをいう。犯罪嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予などの場合がある。一度不起訴となっても、必ずしも後の起訴が許されないわけではない。
- 不正競争防止法
- 不正競争防止法は、著名商品の模造品の輸出入や、営業秘密の不正取得などを取り締まる法律です。企業が有する顧客名簿や、秘密性の高い技術・ノウハウなどは営業秘密にあたりますので、これらを不正に取得することは不正競争防止法に違反することになります。不正競争防止法に反する場合には、違法行為の差止め請求や損害賠償請求を行うことができます。ライバル企業が技術情報に日常接する従業員を引き抜くことで、間接的に秘密情報を取得するなどの行為については、従業員の職業選択の自由、機密情報の種類・内容、引き抜きの態様など様々な要素を考慮して判断せざるを得ません。
- 普通借家契約
- 定期建物賃貸借契約でない賃貸借契約をいいます。普通借家契約においては、賃借人の居住を保護する観点から、家主としては、期間の定めのある場合であっても、正当事由がない限り期間の満了を理由に建物の明け渡しを求めることができません。
- プロジェクトファイナンス
- 企業の信用力や不動産担保等の価値に依拠して行われる従来型の銀行借入や社債発行とは異なり、ある事業そのものが生み出すキャッシュフロー等を返済原資とする融資方法のことです。もともと海外において、資源開発などの大型プロジェクトに必要な資金を調達するために考案されたものですが、近年、日本でも、大小さまざまなプロジェクト(PFIによる公共事業等)において利用されるようになってきています。
- 別除権
- 抵当権や質権などの担保権を破産手続上は別除権といいます。破産開始決定がなされても、担保権の効力は影響を受けませんので、破産者の財産に担保権を有している場合は、破産開始決定がなされた後も担保権の行使を行うことができます。不動産については、競売申立てを行い、競売による売却代金から支払を受けることができます。但し、一定期間内に不足見込み額を管財人に連絡しない場合には、競売により回収できなかった不足部分の金額について破産手続から配当を受けることはできなくなります。
- 別除権協定
- 抵当権その他の担保権者(再生手続上、別除権者といいます)は、再生手続が開始されても、権利に影響はありませんので、担保権を実行して債権回収を図ることができます。ただし、実際には、債務者の営業継続に必要な資産が売却されることは好ましくなく、債権者にとっても債権の最大の回収を図るためには、債務者から任意の支払を受けることが好ましいとこもあります。そこで、担保権を有する債権者と債務者との間で、将来の債務の支払方法について協定が結ばれますが、この協定のことを別除権協定といいます。
- ボールスプライン軸受事件(最高裁平成10年2月24日判決)
- ボールスプライン軸受事件において最高裁判所は、均等論を採用しました。侵害製品が特許請求の明細に記載された構成要件の全部を満たしていない場合であっても、右部分が、①特許の非本質的部分であり、②置換可能性があり、③置換が容易で、④対象製品が特許発明の出願時に容易に推考できたものでなく、⑤出願人が特許請求の範囲から意識的に除外したものでないときは、特許請求に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属すると判断しました。
- 冒頭陳述
- 検察官が証拠調べの前に立証する事実を明らかにすることをいう。すなわち、検察側のストーリーの説明である。
- 冒頭手続
- 第一回公判手続で行われる最初の手続をいう。被告人の人定質問、検察官による起訴状朗読、被告人への黙秘権等の権利告知、被告人・弁護人の事件に対する陳述がある。
- 保護観察
- 執行猶予の判決を受けた場合に付される処分であり、改善更正を図るため被告人に一定の遵守事項を課す処分をいう。
- 保釈
- 起訴後、保釈保証金の納付を条件として、被告人の身柄を解放することをいう。保釈保証金は、被告人が逃亡するなどの事情があれば没収されるが、そのような事情がなければ返還される。
保釈には、権利保釈、裁量保釈、義務的保釈がある。権利保釈は、一定の要件を満たせば保釈の請求により裁判所が必ず保釈を認めなければならない保釈である。裁量保釈は、裁判所が適当と認める場合に認められる保釈である。義務的保釈は不当に長期間の勾留がなされた場合に裁判所が行わなければならない保釈である。
- 募集設立
- 株式会社の設立に際し発行される株式の一部につき発起人以外の引受人を募集する設立形態をいいます。実務上は発起設立が多く、募集設立はあまり利用されていません。
- 保全命令
- 再生手続申立て後、監督命令とともに裁判所から出される命令で、債務者に対して資産の処分や、債権者への弁済を禁じる命令です。これにより、再生申立て後の債権取り立てが禁止され、債務者は再生手続に集中することが可能となります。
- 発起設立
- 株式会社の設立に際し発行される株式の全部を発起人が引き受ける設立形態をいいます。実務上は発起設立により設立されるケースが多いです。
ま行
- 見せ金
- 発起人が払込取扱金融機関以外から払込みにあてる金銭を借り入れ、会社の成立後直ちにそれを引き出し、自己の借入金の弁済にあてることをいいます。見せ金は、判例上、有効な払込みではないとされており、その方法による設立登記完了は公正証書原本不実記載・行使罪に当たるとされています。
- 無償割当増資
- 株式分割と同様に、株主の有する株数を増加させる制度で、会社法において、新しく導入されました。株式分割との違いは、①株式分割は同じ株式を交付しなければならないのに対し、株式無償割当ては別の種類の株式を交付することもできる、②株式無償割当ては株式の発行であるため、株主に対して自己株式を交付することができるのに対し、株式分割ではなし得ない、③株式分割は発行会社が有する自己株式(いわゆる金庫株)にも株式を交付しなければならないのに対し、株式無償割当ての場合は金庫株に対しては株式を行使してはならない、などの点があります。
- 名義株主
- 株主名簿上に株主として記載されている者と、その株式の実質的な所有者とが一致していないことがあり、そのような株式を名義株といい、株主名簿上に株主として記載されている者を名義株主といいます。
- 免責決定
- 個人破産の申立て事件においては、破産申立てとともに免責決定の申立てを行います。債権者集会において債権者及び破産管財人の意見を聴取し、その後一定期間以内に異議がない場合に、裁判所が免責決定を行います。免責決定が確定すると破産者は債務の弁済義務を免れることになります。
- 免責不許可事由
- 免責不許可事由には、
- 財産を隠す
- 財産を親族などに不当に安く譲渡(贈与)する
- クレジットカードで商品を購入して現金化する
- 一部の債権者に特別の利益を与える目的で、弁済期日が来ていない債務の支払をする
- 過度の浪費やギャンブルを行い財産を著しく減少させる
- 破産原因が生じた後に、相手方を誤信させて借り入れを行う
- 会社の帳簿書類などを隠す
- 裁判所、管財人に対して説明を拒み、又は嘘の説明を行うこと
などがあります。免責不許可事由がある場合には、免責が受けられない可能性があります。
や行
- 役員責任限定契約
- 会社の役員が任務の懈怠によって会社に損害が生じた場合には、当該役員は会社に対して損害を賠償する責任を負います(会社法423条)。しかし、社外役員、社外監査役については、予め会社と契約を締結することで、善意かつ無重過失の場合には、役員の責任を当該役員が会社から受領した2年分の報酬の範囲に限定することができます(会社法427条)。社外役員の責任限定契約は、定款の定めがある場合においてのみ可能であり、新たに責任限定契約を締結する場合には、株主総会において定款変更を行うことが必要になります。
- 雇止め
- 雇用期間の定めのある有期の労働者に対して、雇用契約の更新を行わないことを言います。判例上、有期の労働者であっても、雇用期間が長期に及び、毎週一定以上の労働時間勤務していた労働者の雇止めについては、会社の側に雇止めを行う合理的な事由を必要とするとされています。
- 遺言執行者
- 遺言書において遺言執行者を選任した場合、相続人は相続発生と同時に相続財産に対する管理・処分権を失い、遺言執行者が相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有することになりますので、遺言内容を忠実に実現することができます。遺言の内容が遺贈等財産の処分に関するものである場合には、遺言の内容に従った財産の引渡しや移転登記手続まで行うことが出来ます。
- 遺言書検認
- 相続人等に対して遺言の存在と内容を明らかにして紛失を避け、記載内容を確認し、偽造・変造を防ぐための検認・証拠保全手続です。自筆証書遺言と秘密証書遺言が検認の対象となります。検認は、遺言書の有効性を確定するものではありませんので、遺言書の効力について疑義がある場合は、地方裁判所の訴訟手続によって確定することになります。
- 有価証券報告書
- 継続的な開示義務を負う有価証券の発行者が、金融商品取引法24条1項に基づき、事業年度ごとに提出することを求められる、当該会社の商号、当該会社の属する企業集団及び当該会社の経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項その他の公益又は投資者保護のために必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項を記載した報告書のことをいいます。
ら行
- 略式起訴
- 被疑者が事件に対して争わない場合、検察官の請求により、正式な裁判手続を経ることなく、簡易裁判所が被告人に50万円以下の科料又は罰金の刑を科すことができる。この手続の開始を求める検察の請求を略式起訴という。
- 流通・取引慣行ガイドライン
- 公正取引委員会が制定した、「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」と題する指針のことをいいます。指針は3部構成となっており、指針第1部は、主として生産財・資本財の生産者と需要者との間の取引を念頭に置いて、事業者間取引の継続性・排他性に関する独占禁止法上の指針を、第2部は、主として消費財が消費者の手元に渡るまでの流通取引を念頭に置いて、流通分野における取引に関する独占禁止法上の指針を、第3部は、財の性格にかかわらず国内市場全域を対象とする総代理店に関する独占禁止法上の指針を示しています。
- 臨時報告書
- 継続的な開示義務を負う有価証券の発行者が、金融商品取引法24条の5第4項に基づき、一定の重要な事実が発生するたびごとに提出を義務づけられる報告書のことをいいます。
- 労働福祉事業団による立替払制度
- 労災保険を一年以上払ってきた会社が破産した場合、従業員は未払賃金の8割まで、労働福祉事業団から未払賃金の立て替え払いを受けることができます。立替払を受けられる未払賃金には、残業代は含まれますが、ボーナスは含まれません。立替払金の支払を受けるためには、破産管財人が証明した書類を労働福祉事業団に提出することが必要です。
- ローンパーティシペーション
- 金融機関等の貸出債権にかかる権利義務関係を移転させることなく、参加人(投資家)が、金融機関等の保有する「貸付債権に対する経済的利益」を取得すると同時に「借入人にかかる貸倒れリスク」を負担し、その対価としてその貸付債権の現在価値に相当する代金を金融機関等に支払う契約のことです。なお、ローンパーティシペーションは借入人が健全でも銀行が倒産した場合には、参加人は銀行に対して一般債権者の立場での請求権しか有していないことになり、参加人は借入人と銀行の双方のリスクを負担していることになります。
- 論告・求刑
- 論告とは、検察官が証拠調べ後に事件に関する事実と法律意見を陳述する手続をいう。検察官は、通常、論告に続き、被告人に科されるべき刑に関する意見を述べる。この意見を求刑というが、裁判所は求刑に拘束されず、求刑を下回る刑も上回る刑も言い渡すことができる。
わ行
- ワークアウト
- 財政的に困難な状況にある企業が、リストラクチャリング、不要資産の処分、リスケジュール(債務の支払猶予や分割弁済など)、事業の選択と集中などの方法によって、事業の再生を図ることをいいます。裁判所の手続によらない、事業の再構築や、再生を図る手続を指します。