協議による紛争解決の事例

国際取引における国際紛争を協議によって解決した事例

国際取引を行う上で、海外の取引先との間で紛争が生じることはよくあります。当事務所では、依頼者の皆様からの聞き取りを行い、関係証拠を検討することで、皆様にとって最も適切な紛争解決方法を提案いたします。もちろん国際的紛争においては、外国の弁護士も関与したり、協議について移動を要することもあったりするため、協議解決する段階での費用も自ずと高額になってしまいます。そこで、紛争解決方法の提案については、コストパーフォーマンスを検討し、皆様の限られた予算の中で最も効果的な解決方法を探ることになります。

1 弁護士事務所からの催告状の送付により解決した事例

(事案の概要)
アメリカの旅行参加の申し込みを行い、旅行代金を振り込んだ後、現地の安全性の問題などの事情により当該旅行の開催自体が行われないことになりました。本人から、旅行代金の返還を求めたにも拘わらず、担当者が不在であったり、たらいまわしにされて、なかなか代金の返還をしてくれないということで当事務所に相談に来られました。

(栗林総合法律事務所のサービス内容)
当事務所のご相談をいただき、当事務所からアメリカの担当者に英語でメールを書いて、代金の返還を催促したところ、1週間以内に代金全額が返金されてきました。英語のメールでは、事案の内容と責任の所在、返還義務の存在を明瞭に記載するとともに、即時の対応がない場合には、訴訟などの法的手段を講じることを明確にして催促しています。

(解説)
アメリカの旅行会社では、旅行者からの様々なクレームや相談事があり、全てのケースに迅速に対応できていなかったのではないかと推測されます。特に担当者の退職や交代が生じた場合に、十分な引継ができていないこともあります。日本の企業と異なり、セクションごとに独立して業務を行っているような場合には、他の社員が担当する案件については、誰も真剣に取り扱ってくれないということもあります。そのような中で、日本の旅行者から直接英語で手紙が到着しても、その事実確認や責任の所在の判定は後回しにされ、そのまま放置されてしまう可能性も高いと思われました。このケースでは、栗林が直接担当し、法律事務所のレターヘッドを用いて、ある程度フォーマリティのある文書で催告を行うことで、先方も放置していた場合には訴訟など大きな問題になることを認識し、早期に対応いただけたのだと思われます。依頼者の皆様が直接連絡しても真剣に対応してくれないケースで、弁護士から催促を行うことで紛争の解決に至ることは良くあります。アメリカに送付する文書の内容は日本語と英語の両方で作成し、事前に依頼者の皆様と検討の上で提出することになりますので、依頼者の皆様自身も協議の方法や内容について十分に理解・納得した上で手続きを進めることができます。上記の案件では、依頼者の方は、当事務所への弁護士報酬着手金5万円をお支払いいただき、1週間で40万円の回収を行うことが出来ました。成功報酬が10%(4万円)ですので、費用の合計は9万円になります。


2 ヨーロッパの取引先との協議により和解金の支払いで解決した事例

(事案の概要)
当事務所の顧問先のK社は、ヨーロッパの取引先(A社)から、商品の引き取りを行い、商品代金2000万円を支払うよう要求されていました。商品代金の支払いがない場合には、商品売買基本契約書(Basic Sale and Purchase Agreement)に基づき、ヨーロッパの裁判所に訴訟を提起すると脅しをかけてきています。K社の代表は、多額の請求にどのように対応していいかどうか分からず当事務所に相談に来られました。

(栗林総合法律事務所のサービス内容)
ヨーロッパの会社と日本の会社の担当者との間でeメールによるやり取りがなされていましたので、途中から当職らの方でeメールの内容をチェックし、全て弁護士の方でドラフト(英文)を作成し、担当者は栗林総合法律事務所で作成した文案を自分のメールとして相手方に送付するようになりました。まず最初は、今回の紛争における主な争点が、当該商品について契約が成立しているかどうかであることを明確にして議論を進めることにしました。また、最悪の場合にヨーロッパで訴訟提起される可能性があることを検討しながらも、当方にお金がないことを主張し、仮に訴訟をしても、訴訟費用に見合った回収を行うことはできませんよというニュアンスを出すようにしました。その後、訴訟費用を考慮した場合、協議を続けていくことは無駄であることを相手方にも認識してもらい、150万円を3回分割で支払うことで合意することになりました。当方としてはあくまで売買契約は成立していないという立場ですので、和解条項も売買代金の一部の支払いではなく、示談による解決金の支払いとしています。栗林総合法律事務所で和解契約書(Settlement Agreement)を作成し、両当事者で調印の上、和解金の支払いを行うことで事案の解決を図ることができました。

(解説)
当事務所で、ご担当者からのお話の聞き取りを行ったところ、今回の取引については契約が成立しておらず、売買代金の支払いも必要ないのではないかと判断しました。一方で、これまでのメールのやり取りを拝見すると、先方(ヨーロッパの会社)は言葉巧みに、契約の成立を認めさせ、その上で和解金の支払いについて協議しようとしていました。当事務所が関与し出した段階では、日本の担当者は、ほとんど先方の主張を認めて、「いくら支払えば了解してくれるのですか。」と言うようなメールを出したりしています。栗林総合法律事務所では、先方の主張を認めた議論を行うのは極めてリスクが高いことを説明し、今後は栗林総合法律事務所との協議のもとに先方とのやり取りを行うよう体制を整えることにしました。依頼者の代表者としては、ヨーロッパの会社から、ヨーロッパの裁判所に対して訴訟提起されることを大変警戒していましたが、訴訟提起を恐れて弱気の交渉を行うことはかえってリスクが高いことを説明し、一定額の支払いを行うことで和解契約書の調印を目指すことを方針とすることを確認しました。その後は、eメールによる議論の状況も徐々に売買契約成立が争点として協議されるようになり、先方も敗訴のリスクや訴訟費用に応じた金額の回収可能性について検討するようになり、一定の解決の方向に歩み寄ってくることになりました。協議についての戦略決定が重要であることを示すケースと言えます。本件は、当事務所の顧問先の案件であり、顧問料の範囲内での解決となり、追加の報酬はいただいておりません。


3 製品の品質保証について韓国のメーカーに責任を認めさせた事例

(事案の概要)
当事務所の顧問先のF社は、韓国のソフトウェア製作会社の販売代理店をしていましたが、日本企業に納品した製品の不具合(OSとの相性が原因か)により、顧客に多額の損害が生じることになりました。F社の代表者から当事務所に相談があり、韓国のソフトウェア製作会社の契約書(英文)を確認したところ、今回のような損害賠償請求についてはメーカーの保証表明の範囲内であることが分かりました。そこで、F社の社長は、韓国のメーカーに連絡し、今回の日本企業への対応や求償に応じるよう求めたところ、韓国のメーカーで全て対応してくれることで解決を図ることができました。

(栗林総合法律事務所のサービス内容)
F社の社長は、納品先の日本企業から、基本ソフトがフリーズして業務上極めて多額の損害が生じているとの通知を受け、対応に苦慮していました。F社の社長としては、ソフトウェア自体に問題があるのではなく、あくまで顧客の基幹ソフトとの相性によるもので、製品の欠陥ではないことを主張し、顧客との間で争いとなっていました。F社の社長から栗林総合法律事務所に相談がなされ、栗林の方で英文の販売代理店契約書を確認したところ、今回の問題については韓国メーカーの責任の範囲内であることが明確です。そこで、韓国のメーカーに逃げられないよう、顧客との協議の初期段階から韓国のメーカーを巻き込み、できるだけ韓国のメーカーと日本の顧客との直接のやり取りの中で問題解決してもらうようアドバイスし、事なきを得ました。結局、F社は一銭も賠償金の支払いを行うことなく、本件の解決を導くことができました。

(解説)
ソフトウェアの開発や導入については、今回のような問題が生じることが多くあります。その場合、自分のところに非がないことを声高に主張するだけでなく、全体を大きく見回し、関係者全体にとってどのような解決方法が妥当かを検討する必要があります。また、今回のケースのように、サプライチェーンの中に外国企業が含まれ、外国企業を巻き込んだ紛争になる場合は、契約書の内容を確認し、契約書に基づき当該企業に対して紛争解決の役割分担などを依頼することが必要になります。英文で作成された販売代理店契約書(Distributorship Agreement)の内容を早期に確認し、その内容を紛争解決に反映したことがいい結果につながったものと考えています。F社は、栗林総合法律事務所の顧問先でしたので、顧問料の範囲内での解決となり、追加の報酬等はいただいておりません。


4 製品の品質保証の確認を行った事例

(事案の概要)
当事務所の顧問先のM社は、ヨーロッパの会社から輸入した商品に欠陥があることが判明し、日本の取引先からは今後同様に欠陥が生じた場合には取引を中止するとの連絡を受けることになりました。M社の社長は栗林総合法律事務所に相談し、ヨーロッパの会社に事業を説明し、今後同様の欠陥が生じた場合には、全てヨーロッパの会社の責任であることを文書で確認してもらうことになりました。

(栗林総合法律事務所のサービス内容)
当事務所では、M社の社長から連絡を受け、ヨーロッパの会社から提出してもらう確認書(責任の所在を確認し、万一の場合には賠償責任に応じることを確認するもの)をドラフトし、社長に送付しました。M社の社長は、当事務所の作成した確認書をもとに先方と協議をし、確認書に署名いただくことに成功しました。

(解説)
本件は、まだ具体的な損害賠償の所まで行っていませんでしたが、確認書に署名いただくことで、今後同様の問題が発生した場合にも、ヨーロッパの会社が全ての責任を負担することを確認でき、その後の取引もスムーズに進めることができるようになりました。今回のようにPurchase Order(注文書)のみで取引をしている場合は、取引金額が大きい場合であっても基本契約書が作成されていない場合がありますし、基本合意書が作成されている場合であっても、今回の問題に適切に対応する内容となっていない可能性もあります。そこで、取引を行っている途中であっても、契約条項の不明な点がある場合には、書面によって明確にしておくことはその後の取引の円滑な遂行に有益と考えられます。M社は栗林総合法律事務所の顧問先ですので、今回の案件についての相談料(英文による合意書の作成料を含む)については、顧問料の範囲内で対応しました。


5 海外の取引先からの不当請求・不当クレームの事例

(事案の概要)
当事務所の顧問先のI社は、海外のメーカーから製品代金100万円を支払うよう請求を受けましたが、全く心当たりのない請求でした。そこで当事務所に相談に来られ、当事務所からI社は契約を締結したことはなく、何ら責任をおうものではないことを英語で通知したところ、その後一切請求は来なくなりました。

(栗林総合法律事務所のサービス内容)
当事務所では、依頼者からの聞き取りを行い、相手方に対する回答案を英語と日本語で作成しました。日本語のものは、依頼者用で、依頼者の方で内容をよく理解してもらい、必要に応じて内容の修正などを行うためのものです。

(解説)
海外の取引先などから、不当なクレームや請求がなされることも多くあります。日本の会社としては全く心当たりのないことであったり、その事実関係についてある程度は把握していても、自分たちの責任ではないと考えているにもかかわらず、請求がなされた場合、不当請求、不当クレームであるとして、頭に来ることが良くあります。このような場合でも、場合によっては、先方が異なった事実認識のもとに、日本の会社の責任を追求している可能性もあります。その場合、日本の会社が請求を全く無視して何らの反応をしない場合には、先方としてはやむを得ず海外の裁判所に対して損害賠償請求訴訟を提起してくるということも考えられます。日本の会社が損害賠償請求訴訟に一切対応しない場合には、欠席判決がなされて、将来その判決が日本で強制執行される可能性もないとは言えません。従って、海外の会社から明らかに不当と思われる請求やクレームがなされた場合であっても、そのまま放置しておくのは好ましいことではなく、きちんとした反論書を提出しておくのが好ましいと思われます。その反論書自体が将来証拠となってくることもあります。栗林総合法律事務所では、このような海外からの不当請求や不当クレームに対する反論書の作成や代理人名義での送付についても行っておりますので、いつでもご相談ください。

6 代理店契約の一方的解除の事例

(事案の概要)
日本の会社が海外の会社と販売代理店契約を締結して、海外の会社の商品を日本で販売していることが多くあります。反対に日本のメーカーが、海外の会社と販売代理店契約を締結して、海外で商品を販売していることも多くあります。契約が順調に進んでいる場合はいいですが、メーカーの側からは販売代理店の活動が不十分で、日本ないし海外市場で十分な製品の販売や収益に結びついていないのではないかと判断されることも良くあります。このような場合、メーカーの側としては、販売代理店契約を早期に解除し、自ら商品を販売するか、他の代理店を通じて商品の販売を行うことを希望されることもあります。

(栗林総合法律事務所のサービス内容)
栗林総合法律事務所では、上記のような場合に、メーカー様や代理店様を代理し、契約書の分析、契約書に基づく法的地位の解説、各国ごとの販売代理店保護に関する法制度の状況、訴訟その他の紛争解決手段による解決の場合の見通し、協議による解決方法、解決に向けての協議の代理、和解契約書のドラフト作成等を行います。販売代理店契約の解除については、顧客の引継や現地での商標の問題なども絡んできますので、全ての問題を一体的に解決する必要があります。栗林総合法律事務所では、このような法律問題について日本語及び英語で対応いたします。

(解説)
販売代理店契約の解除については、当事者の権利関係の著しい変動を来しますので、場合によっては代理店にとって著しい不利益を被らせることにもなりかねません。日本の裁判所は、長期継続的契約については、正当な理由がない限り、継続契約の一方的解除はできないという理論により契約解除の制限をしてきています。販売代理店は、販売促進のために多額の投資をしていることがありますし、市場における有利な地位をそのまま無償で獲得することは不公平と評価される場合もあります。日本の裁判所が、正当事由がない限り一方的な契約解除をすることができないとしているのは、メーカーに対して一定額の補償金の支払いを行わせることで、当事者間の立場の公平を図ろうとしている趣旨とも考えられます。販売代理店契約の解除については、顧客の引継や商標権の移転等、複雑な権利関係の調整を要するものですので、是非専門家である弁護士にご相談ください。

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