Legal Opinion

国際取引・国際訴訟

 法律意見書の作成について

 外国との取引を行う中で、日本の弁護士による法律意見書の作成を求められることが多くあります。訴訟の場合に専門家証人(Expert-Witness)として日本法の解釈について意見を求められることもありますが、取引の過程においては、当該委任状や契約書の署名が有効であるかどうか、署名者が正当な権限を有しているかどうかなどを確認するための手段として意見書の作成を求められることが多くあります。

 例えば、日本の会社が香港の不動産を所有している場合において、香港の弁護士や仲介人に権限を委任して、所有する不動産を売却してもらいたいと考えることがあるかもしれません。この場合、香港の買主からすれば、本当にその弁護士や仲介人が不動産の売却を行う権限を有しているかどうか(委任状が有効なものであるかどうか)不安になりますし、日本法上の正当な手続きを経たものであるかどうかも分かりません。そこで、このような場合、現地(上記の件では日本)の弁護士による意見書を作成してもらい。委任状が正当な権限者により作成されたもので、当該不動産の売却に際して必要な日本法上の手続を正当に踏んでいることを確認してもらえれば安心して取引をすることができます。

 このような場合に求められるのが弁護士の意見書です。弁護士は、委任状、商業登記簿謄本、取締役会議事録、定款等の基本的書類を確認し、それらの書類が偽造でないことを前提として、本人による署名がなされているかどうか、当該署名者が当該取引を行うについての正当な権限を有しているかどうかなどを証明する意見書を作成します。

 意見書のフォーマットについては、特に制約はありませんが、場合によっては公証人による認証を求められることもあります。この場合、弁護士は公証役場に赴き、公証人の面前で当該書面に署名することになります。また、公証人の認証自体が正当なものであることを確認するためにアポスティーユという手続きを取ることもあります。



  法律意見書サンプル

Re: ●● COMPANY LIMITED ("the Company")
●●株式会社に関し

Legal Opinion
法律意見書

I am a lawyer duly qualified to practice law in Japan and well familiar and conversant with the laws of Japan.

私は日本で実務を行う正当な資格を有する弁護士であり、日本の法律に精通している。

At the request of the Company, I have agreed to render this legal opinion in relating to the validity in accordance with the laws of Japan on a Power of Attorney dated ● made by the Company in favor of Chan Davis ("the Power of Attorney").

私は、●年●月●日、会社からチェン・デイビス氏に対して与えられた委任状の日本法上の有効性について、会社の依頼により、法律意見書を提出することに同意した。

For the purpose of giving this legal opinion, I have examined copies of the following documents:
法律意見書を作成するために、以下の書面の写しを確認した。

(1) The Power of Attorney;
(1)委任状

(2) Resolutions of the Company dated ●; and
(2)●年●月●日付け会社決議書、及び

(3) Articles of Incorporation of the Company.
(3)会社の定款

I have also conducted such searches and made such enquiries as I think necessary for the purpose of giving this legal opinion.

私は、本法律意見書を作成するために必要と思われる調査を行い、照会を行った。

This legal opinion is restricted to the laws of Japan only.  I have not investigated, nor do I seek to express any opinion on, the laws of any other jurisdiction.

本法律意見書は、日本法についてのみ述べられるものである。私は、他国の法律について調査しておらず、他国の法律について意見を表明しようとするものでもない。

Based on the foregoing, I am of the opinion that:
以上に基づき、私の意見は下記の通りである;


1. The Company is duly incorporated under the laws of Japan and is in good standing under the laws of Japan.
会社は日本法に準拠し、正当に設立されており、日本法の下で正当に存続している。

2. The Company has legal capacity to hold and dispose of interest in land in any country, provided that the laws of that country permit the Company to do so.

会社は、該当国の法律により会社が行うことができる限りにおいて、如何なる国に存在する不動産であってもこれを保有しまたは処分する法的権限を有している。

3. The Company has power and authority to make the Power of Attorney and has taken all necessary actions to authorize the execution of the Power of Attorney.

会社は委任状を作成する権能と権限を有しており、委任状を作成するための全ての必要な手続を行っている。

4. Under the laws of Japan, there is no need for a company incorporated in Japan to have any common seal, which as I understand is a metallic seal used by companies incorporated under the British common law system.  The Company does not have a common seal.

日本法の下では、日本法により設立された会社は、私の理解では英国の衡平法のシステムに基づき設立された会社で使用される金属製の印鑑に該当するコモンシール(印鑑届出をした印鑑)を保有しておく必要はない。会社はコモンシールを有していない。

5. The Power of Attorney has been validly executed by the Company and constitutes legally valid and binding powers and obligations of the Company enforceable against the Company in accordance with its terms.

本委任状は、会社によって有効に作成され、会社に対する法的に有効かつ拘束力のある権限と義務を構成しており、その内容に従って会社に対して執行することができる。

6. There is no need for the Company to obtain approval from any Japanese governmental authority in connection with the Power of Attorney.

会社は、本委任状に関して、日本政府から承認を得る必要はない。

7. No stamp duty or other tax is payable by the Company in connection with the Power of Attorney.

会社は、本委任状に関して、印紙税その他のいかなる税金も支払う必要はない。

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BUREX麹町501号

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