貨物運送・海事法務

貨物運送・海事法務
国際的貨物運送・海事法務

当事務所は陸、海、空それぞれの輸送手段に応じた諸契約、複合運送契約、及び発生する紛争解決に尽力しています。

例えば商社等のカーゴ・オーナー(荷主)と運送契約との関係では、FOBやCFRといった売主・買主間のリスク移転を画するトレード・ターム選定が関わる国際的売買契約と運送人との関係を規律する運送契約との複合的な視点、契約間の適切なリスク分配が重要です。

定期傭船契約については例えばオフハイヤー条項の適用の可否(さらに解除まで可能なのか)、航海傭船契約については例えば誰がデマレッジ負担をすべきか等の専門的知見を提供しています。

また船舶建造契約、売買、融資契約についても対応しています。例えば複数船主(リベリア船籍経由)を介在する売買取引では金融機関による融資実行と本船に関わる諸リスクの移転に関わる本船引渡しPDA(Protocol Delivery and Acceptance)執行のタイミングが重要ですが、クロスボーダー取引において金融法務・オペレーションの知見を踏まえたアドバイスを行っています。
 

ところで海事法務の分野では従前韓国のSTX Pan Ocean(回生手続)や日本の三光汽船(会社更生手続)など船社倒産とこれに伴う既存傭船契約の解除・条件変更等が専ら論点とされてきました。

ところが、2014年秋に国際的な大手燃料供給業者であったOW Bunkerグループ倒産事例が発生し、OW Bunkerグループ各社が金融機関向けに担保に供していたとされる燃料供給売掛債権を回収するべく当該金融機関が全世界で本船アレストする事例が頻発し、現在(2015年12月執筆時点)、船主やカーゴ・オーナーに甚大な影響が発生しています。

このような国際的な大手燃料供給業者が破綻し海運に大きな影響を与えたケースは恐らく史上初のことと思われます。この問題は当該金融機関だけに燃料代金を支払えば解決するという単純なものではありません。OW Bunkerグループと契約して実際に本船に燃料を供給した原燃料供給者(physical supplerと言います)も本船船主等に対して自己のOW Bunkerグループ向け債権の支払いを求めるという複雑な状況を呈しています。原燃料供給者は倒産してしまったOW Bunkerグループ各社からは、各国法で適用される倒産法の下では債権回収がほとんど見込めないからです(船社と異なり船舶を保有しておらず、倒産手続で配当できるめぼしい固定資産が無いようです)。

他方、原燃料供給者には適用される法律によっては船舶先取特権(日本法でいうと商法842条6号が相当しますが、適用される法律によって、そもそも成立するのか、またどのくらいの期間存続するかなどの性質が異なります。例えば定期傭船者との契約によっては燃料供給業者にはこの種の先取特権の成立を認めない法域もあります)という直接的に契約関係がなくても本船をアレストする権利が発生します。マーケットではこの問題をいわゆる「ダブルペイメント・リスク」と称し、船主等は一体誰に支払えばいいのか、という論点に関して米国や英国はじめ主要港を管轄する裁判所で既にいくつかの裁判例が発生しています(例えば金融機関側に有利な判断をした英国高等法院The “Res Cogitans”([2015]EWHC 2022 (Comm))。

寄港予定地でのアレストリスクを分析するには燃料供給契約に適用される法律、船籍地、アレストが予想される寄港港を管轄する裁判所の先例、本船側でサインした燃料供給受領証の記載内容などを複合的に分析する必要があります。当事務所では英国、シンガポール、米国、インド、韓国、中国といった各国海事弁護士と協力して本船アレストリスクの法的分析・報告、アレスト対抗策・交渉ストラテジー構築、実際にアレストされてしまった場合の早期の本船リリース等に尽力しています。
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