ストラクチャード・ファイナンス

業務

資産流動化(証券化)商品には、①流動性のない、又は低い資産を裏付けにして流動性のある商品を組成する、②オリジネーターリスクを切断するスキームを組成し、信用補完を付与することで、オリジネーター(資産の当初保有者)自身の信用リスクに依存しない資金調達を可能にする、③原則として、オリジネーターがサービシング業務を継続しつつ、譲渡資産のオフバランス化を実現する、といった特徴があります。当事務所は、信託受益権、資産担保証券(ABSやABCP)、債権売買の手段としてのローンパーティシペーション、不動産特定共同事業法上の不動産小口化商品等の幅広い資産流動化(証券化)商品の組成において豊富な経験を有しています。

当事務所では、現在、各種の証券化(流動化)スキームに関して、

  • スキーム組成への法的アドバイス、調査、分析
  • 各種契約書の作成、レビュー
  • 法的問題点の検討
  • 監督官庁への照会・交渉
  • スキーム当事者の債務不履行等に対する民事保全、訴訟及び民事執行手続
  • スキーム組成時から期中にかけての各当事者との交渉

等の幅広い業務を行います。依頼者としては、アレンジャー、オリジネーター、レンダー、投資家、受託者、サービサー、アセットマネージャー、プロパティマネージャーなど、案件により幅広い層の当事者からのご依頼を承っています。

債権等の証券化

あらゆる債権(リース料債権、オートローン債権、クレジットカード債権、手形債権、売掛債権、銀行ローン、商工ローン、自動車ローン、住宅ローン、診療報酬債権その他の金銭債権)の流動化(証券化)業務を取り扱っています。仕組みについても、ABS、ABCP、CMBS、RMBS等、幅広く手掛けています。
また、事業全体からのキャッシュフローを裏付けとした、いわゆる事業の証券化も取り扱っています。

不動産の証券化

GK-TKスキーム(合同会社に匿名組合出資を行うスキーム)はもちろん、TMK(資産流動化法に基づく特定目的会社)も取り扱っており、開発型案件にも対応いたします。特にTMKを用いたスキームについては、各種契約書の作成のみならず、資産流動化計画の作成、監督官庁への照会・交渉を行うことが必須となりますが、これらも含めた法的サービスを提供いたします。
また、REITや私募ファンドなどの運用型の商品についても、取り扱っています。

当事務所が扱った事例

流動化(証券化)の代表的な事例として、信託方式とSPC方式が挙げられます。

信託方式の例

対象となる金銭債権を信託契約に基づいて信託し、その信託受益権を投資家に販売する方法です。特に、短期間で期日を迎える金銭債権を対象とする場合や国内の機関投資家等に対しまとまった金額で販売する場合には、あえて社債とすることなく、信託受益権のまま取り扱われることが多いと思われます。以下のフローが一般的です。

  1. 金融機関Aは信託契約に基づき、信託銀行に対し貸付債権を信託し、信託受益権を取得します。
  2. 金融機関Aは取得した信託受益権を投資家に譲渡し、投資家は金融機関Aにその譲渡代金を支払ます。かかる信託受益権の譲渡は証券会社や信託銀行を通じて行われる場合が多いと思われます。
  3. 受託者が受領した貸付金の回収金から諸費用等を控除した残額が信託元本及び信託配当として投資家に支払われます。かかる貸付金の回収は、金融機関Aを通じて行われる場合が大半です。

SPC方式の例

信託受益権を引当とした社債に仕立てて投資家に販売する方法です。主に日本の投資家に幅広く販売する場合や国内だけでなく海外の投資家にも販売しようとする場合に利用されます。もちろん、貸付債権そのものを引当とした社債を発行することも可能ですが、実体のないSPCレベルでのキャッシュフローを安定させるため、信託を活用し、SPCは優先受益権を引当とした社債を発行する場合が多いと思われます。以下のフローが一般的です。

  1. 金融機関Aは信託契約に基づき、信託銀行に対し貸付債権を信託し、信託受益権を取得します。
  2. 金融機関Aは取得した信託受益権をSPCに譲渡し、SPCは金融機関にその譲渡代金を支払ます。
  3. SPCは信託受益権の取得資金を調達するため、社債を発行します。かかる社債は証券会社等により引き受けられ、広く投資家に販売されます。
  4. 受託者が受領した貸付金の回収金から諸費用等を控除した残額が信託元本及び信託配当としてSPCに支払われます。かかる貸付金の回収は、金融機関Aを通じて行われる場合が大半です。
  5. 信託元本及び信託収益として受領した金銭をもってSPCは元利金支払代理人を通じ社債の元利金を投資家に支払ます。

用語

(アルファベット・五十音順)

ABS /ABCP
ABS、ABCPとは、それぞれAsset Backed Security、Asset Backed Commercial Paperの略称で、所有する不動産や債権など資産の信用力やキャッシュフローを裏付けにして発行される債券やコマーシャルペーパーのことをいいます。
CLO
CLOとは、Collateralized Loan Obligationの略称で、資産担保証券の一種です。金融機関の事業会社などに対するローン債権を証券化した商品で、ローンの元利金を担保にして発行される債券のことをいいます。金融機関にとっては、元来流動性の劣る貸出資産を、ローンより市場性の高い債券の形態にすることができるので、より機動的に資金調達ができるメリットがあります。実際には、金融機関からローン債権を譲り受けた特別目的会社(SPC)が債券を組成し、これを購入した投資家がローンからの元利金を受け取るという仕組みが一般的です。
CMBS
CMBSとは、Commercial Mortgage Backed Securityの略称で、収益不動産に対するノンリコースローンを担保として証券化した商品をいいます。
RMBS
RMBSとは、Residential Mortgage Backed Securityの略称で、住宅ローン債権を担保として証券化した商品をいいます。
信託受益権
信託契約に基づいて行われる信託財産の管理や運用などの結果を享受する権利のことです。信託受益権は、平成19年9月施行の改正信託法において信託受益権の自由譲渡性が明確化されたように、原則として分割・譲渡が可能であることから、投資家の運用商品として活用されます。
特別目的会社(SPC)
SPCとはSpecial Purpose Companyの略称で、資産の流動化や証券化において利用する目的で設立された会社のことです。SPCは、例えば、資金調達しようとする企業等が担保資産をSPCに一旦譲渡することで、資産を企業から分離し、企業の倒産リスクから隔離するための役割を果たします。SPCに資産が譲渡されることによって、SPCの債権者は譲渡された資産から発生する収益を安定的に受け取ることが可能になります。
ノンリコースローン
借入人が保有する特定の資産(責任財産)から生ずるキャッシュフローのみを裏付けとして債務の弁済がなされるローンのことです。資産流動化案件においては、責任財産の当初の保有者であるオリジネーターのリスクを切断するため、オリジネーターから責任財産を譲り受けた特別目的会社(SPC)や信託銀行がノンリコースローンの債務者となるのが一般的です。

費用

当事務所所定のタイムチャージの方式により弁護士報酬の請求をさせていただきます。タイムチャージ方式とは、それぞれの弁護士が当該案件に使用した時間を毎日タイムシートに記入し、月ごとに、当該弁護士が当該案件に使用した時間を集計し、当該弁護士の一定のレート(報酬レート)を乗じた金額を計算して請求書を作成する方式です。

例えば、A弁護士の1時間当たりの報酬レートが2万1000円の場合で、当該月に当該案件の処理に10時間使用した場合の当該月の報酬金額は、2万1000円×10時間=21万円(消費税込)となります。

各弁護士の報酬レートは、概ね次のとおりです。
タイムチャージ制における各弁護士の報酬レートは、各弁護士の実務経験・専門性によって異なりますので事前にご相談下さい。

  報酬レート(消費税込)
パートナー弁護士(経営弁護士) 2万6250円から3万6750円
アソシエイト弁護士(勤務弁護士) 1万5750円から2万6250円

報酬は月末ごとに締めを行い、報酬金額の計算ができ次第請求書の発行を行います。クライアントから希望がある場合には、弁護士ごとに、いつ、どの業務に、いくらの時間を使用したかを明示する明細書(ディスクリプション)を日本語又は英語で発行いたします。

受任に際しては、当事務所作成の委任契約書を締結頂きます。委任契約書は、必要に応じて日本語又は英語で作成いたします。

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