任意整理、特別清算、特定調停、リスケジュール

業務

任意整理

任意整理の流れ

債権者の数が限られていたり、事業譲渡や清算手続について債権者の基本的了解が得られる場合には、破産申立てではなく、裁判外で債権者の了解のもとに会社の清算を行う任意整理を行います。任意整理の場合、当事務所が債務者を代理して会社の資産を売却し、売却代金を債権者に分配します。債権者に対しては、債権者説明会を開催し、事業譲渡、財産の分配、不足する債権額についての債権放棄をお願いすることになります。任意整理は全ての債権者の了解が得られる場合に行います。任意整理において債権者の協議によって行われた債権放棄については、一定の要件のもとに租税特別措置法上も損金として扱われます。

破産申立て前の事業譲渡

会社破産を行う場合であっても、破産申立て前に事業の譲渡が行われることがあります。事業譲渡により事業の継続が図れる場合、従業員の雇用の維持、技術・ノウハウの承継、取引先の維持を含め事業価値を保つことができます。一方、破産申立て直前での事業譲渡は、将来の破産財団の価値を減少させる可能性があり、債権者間の公平が維持されない可能性もあることから、債権者による詐害行為取消訴訟や、破産管財人による否認訴訟の対象とされてしまう可能性があります(東京地裁平成22年5月27日判決)。

否認の回避

破産申立て直前に事業の(一部ないし全部)譲渡を行う場合には、譲渡価格が適正であるかどうか、利益相反取引に該当しないかどうか、譲渡代金が会社に留保され又は譲渡代金の使途が労働債権など優先権のある債務の支払に限定されているか、事業譲渡について債権者による基本的な了解が得られるかどうか、債権者間の平等を不当に害することがないかどうかなど様々な要素を検討する必要があります。

事業譲渡の方式

破産申立前の事業譲渡は、事業譲渡契約の形をとることが多くありますが、会社分割の方法によることもあります。当事務所では、事業譲渡先の探索や、譲渡価格や雇用の継続を含め事業譲渡に関する契約条件についての交渉、否認や詐害行為取消の対象とならないためのアレンジ、金融機関その他債権者に対して任意の説明会を開催する等の業務を行います。私的整理にともなう不動産の売却処分、売掛債権の回収業務なども行います。

特別清算

特別清算は、株主総会決議により会社の解散決議がなされた後、裁判所に申立てを行い、裁判所の監督のもとに会社の清算を行う手続です。通常の場合、会社の代表者又は代理人弁護士が清算人となって清算手続を行います。清算人は財産目録を作成し、資産の換価・回収、債権調査を行い、協定案を作成します。債権者集会において特別多数決による賛成が得られた場合には、残余財産の分配を行い会社は消滅します。特別清算手続は、裁判所の監督のもとに行われる透明公正な手続で、協定案に基づき放棄された債権については、租税特別措置法上も損金として扱われます。

特定調停

任意整理は、裁判外で私的に行われますが、債権者間の調整が必要な場合には、裁判所の調停委員による調整を行うため、裁判所に対して特定調停の申立てを行うこともあります。特定調停では、専門家の調停委員が債権者に働きかけ、債権者からの債権放棄を取り付けることができます。特定調停手続を行っても、一定の基準に基づき債権者からの債権の放棄が行われるだけで、会社自体はそのまま存続することができます。会社としては、債権の一部放棄やリスケジュールを受けることで、債務の支払負担を軽減し、事業の再生を図ることができます。

リスケジュール

金融機関への債務の支払が困難となった場合、金融機関に対して債務の支払猶予や返済期限の延長(リスケジュール)を求めることがあります。会社としては、財産目録、損益計算書、貸借対照表、清算貸借対照表、資金繰表、事業計画書などを作成し、金融機関との調整を行うことになります。リスケジュールは、金融機関との合意に基づき行われるものですので、従前どおり事業を存続させることができ、法律上も債務不履行事由とはなりません(特別の誓約事項(コベナンツ)に違反する可能性はありますので、取引のある全ての金融機関の金銭消費貸借契約書を確認しておく必要はあります)。

当事務所が扱った事例

  • 工作器具の販売を行う商社が任意整理を行う際に、当該商社を代理して任意整理を行いました。在庫商品の売却、売掛金の回収によって財産を回収するとともに、債権者説明会を開催して、従前の経過、債権者への配当予想などについて説明を行いました。約40名全ての債権者から任意整理についての同意書をいただき、債権者への分配を行ったうえ、会社の清算手続を行いました。通常の破産申立てを行っていれば配当率は極めて低くなる可能性がありますが、任意整理手続を行ったことにより40%近い配当を行うことができました。
  • バブル期における多額の不動産投資を行った経営者からの依頼により、金融機関との債務返済猶予の交渉を行いました。個人の所有する不動産については売却するものの、金融機関が所有する債権についてはファンドに売却され、最終的にファンドとの和解により債務の免除を受けることができました。
  • 上記の他、多くの企業及び個人を代理して、金融機関、税務署、地方公共団体等と、債務の返済猶予、リスケジュールについて交渉を行っています。

用語

(アルファベット・五十音順)

整理回収機構(RCC)
整理回収機構は預金保険機構が100%株式を保有する株式会社で、破綻した金融機関が保有する債権の回収や、貸付先の再生支援事業などを行っています。
損金
損金とは、資本等の取引を除いた、法人の資産の減少をきたす原価・費用・損失のことをいいます。会計上、利益を計算する場合、収益から費用を差し引くことで計算しますが、法人税では、所得は益金から損金を控除することで計算されます。債権者が債権放棄を行った場合に、損金として認められるためには、債権者の協議による債務整理がなされているなど、一定の要件を満たす必要があります。
中小企業再生支援協議会
中小企業再生支援協議会は、中小企業の再生の支援を行う機関として経済産業大臣の認定により設置された機関です。全国の都道府県に設置され、事業再生に関する中小企業からの相談を受け、助言や支援を行うとともに、再生案件について弁護士、公認会計士その他の専門家を派遣するなどの活動を行っています。
ワークアウト
財政的に困難な状況にある企業が、リストラクチャリング、不要資産の処分、リスケジュール(債務の支払猶予や分割弁済など)、事業の選択と集中などの方法によって、事業の再生を図ることをいいます。裁判所の手続によらない、事業の再構築や、再生を図る手続を指します。

費用

任意整理

任意整理における弁護士報酬の額は、資産、負債の額、関係人の数、事件の規模、事件処理に要する執務量に応じて異なってきます。通常の事業者の場合、着手金の額は105万円(消費税込)以上となります。報酬金については、弁護士が債権取り立て、資産売却により集めた配当源資の額(債務の弁済に供すべき金銭又は代物弁済に供すべき資産の価額)により次のとおりとなります。

500万円以下の場合 15%
500万を超え、1000万円以下の場合 10%+26万2500円(消費税込)
1000万を超え、5000万円以下の場合 8%+47万2500円(消費税込)
5000万円を超え、1億円以下の場合 6%+152万2500円(消費税込)
1億円を超える場合 5%+257万2500円(消費税込)

但し、着手金、成功報酬の方式に代えて、弁護士1人当たりの弁護士報酬額を1時間当たり2万1000円(消費税込)として計算するタイムチャージ方式によることもできます。

特別清算

特別清算申立て事件における弁護士報酬の額は、資産、負債の額、関係人の数、事件の規模、事件処理に要する執務量に応じて異なってきます。通常の事業者の場合、着手金の額は105万円(消費税込)以上となります。報酬金については、配当資産、免除債権額、清算に伴い生じる経済的メリットなどを考慮して算定されます。

特定調停

特定調停の場合の着手金、成功報酬の額は、訴訟の場合に準じることになります。債務免除を求める額に応じて次の通りとなります。支払猶予の場合の経済的利益の額については、支払猶予の方式に応じて協議によって定まります。

訴訟の対象となる請求の額 着手金(消費税別途) 成功報酬(消費税別途)
300万円以下の場合 30万円 16%
300万円を超え、3000万円以下の場合 5%+9万円
*但し最低30万円
10%+18万円
3000万円を超え、3億円以下の場合 3%+69万円 6%+138万円
3億円を超える場合 2%+369万円 4%+738万円
  • 地方出張を伴う場合は、出張旅費及び出張日当を別途いただくことがあります。
  • 事案の内容によっては上記と異なる計算式が適用になる場合があります。

リスケジュール

原則として、弁護士1人当たりの弁護士報酬額を1時間当たり2万1000円(消費税込)として計算するタイムチャージ方式によります。

着手金、成功報酬の方式を用いる場合は、通常の事業者の場合の着手金の額は105万円(消費税込)以上とし、報酬金については、依頼者が受けた経済的利益を考慮して判断されます。依頼者の受けた経済的利益については、支払猶予の方式に応じて協議で定まります。

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