国際訴訟、国際紛争
- 目次
業務
外国の法律事務所の選定
日本企業が外国で訴訟・仲裁を提起された場合、日本企業を代理して、支援を行います。訴訟の勝敗は法律事務所の選定によって大きな影響を受けることがあります。当事務所では、ふさわしい現地法律事務所の推薦を行うほか、当事務所の弁護士が日本企業の担当者とともに直接現地の弁護士と面談を行い、手続法及び実体法の両面において法律的な観点から質問を行うことで、当該事案にふさわしい弁護士か否かの判定を行います。また、海外の法律事務所から不当に高額の弁護士報酬が請求されることのないよう現地法律事務所を監督していきます。
訴訟戦略の立案
海外での訴訟その他の紛争においては、戦略的思考が極めて重要になります。日本と裁判制度も異なりますので、原告が本気で陪審裁判まで行うつもりであるのか、和解金獲得が目的か、インターロガトリー(質問事項書)やデポジション(法廷外の証人尋問手続)などを通じて情報の獲得を目的としているのかなどの見極めも必要になります。場合によっては、サマリージャッジメント(略式の判決手続)を活用したり、現地の裁判所で裁判管轄を争うとともに、日本において相手方を被告とした債務不存在確認訴訟を提起するなどの対抗措置を講じることも考えられます。
ディスカバリー対応
アメリカを含め英米法の国では、ディスカバリーの制度がありますので、訴訟提起の早い段階からディスカバリーへの対応方針も検討しておく必要があります。会社に所在する文書を確認し、各文書の記載内容が訴訟に対してどのような影響を有するかについて検証を行っていきます。重要な証拠となりうる書類を誤って廃棄したり、不要な書類の作成を行うことのないよう注意が必要です。
スケジュール管理
訴訟の係属後は、期日の管理が極めて重要になります。証拠及び主張書面の作成、証拠開示への対応、和解の提案など、期日管理に従って、遅延のないよう手続を遂行します。
法制度の調査、報告
現地の法制度を調査し、報告します。法制度には、民法や会社法など当事者の権利義務を定めた実体法と、裁判所の手続を定めた手続法の両方が含まれます。現地の法制度を理解することで、訴訟によるリスクの大小や、今後の手続の進行について理解することができます。
コミュニケーション
当事務所の弁護士が直接現地の弁護士と電話、eメールによる連絡を行うことで、法律用語を適切に使用したコミュニケーションが可能となります。当事務所では、訴訟戦略、和解、手続の管理のすべての局面において、依頼者の意向を正確に現地の法律事務所に伝え、コミュニケーションの齟齬による失敗が生じないようにします。
証拠の作成、デポジションへの対応
現地の裁判所に提出する宣誓供述書(Affidavit)、その他の証拠を英語で作成します。日本語の証拠については、英文への翻訳の上、翻訳証明書を発行します。デポジション(法廷外での証言録取)についての対応(デポジションの準備、リハーサル、立会)を行います。
仲裁手続における専門家証人
知財侵害における仲裁手続については、侵害の有無及び損害額の算定の両面で専門家証人の意見が重要となります。当事務所では、経済学、統計学、その他の専門家を紹介し、依頼者の主張をサポートする適切な意見書を作成いただけるようアレンジを行います。
当事務所が扱った事例
- テキサス州在住の個人から、テキサス州の裁判所に日本企業が訴えられた件で、日本企業を代理して、現地の代理人の選任、訴訟戦略の立案、訴訟手続の進行管理、デポジションへの立ち会い、現地の代理人との連絡・打ち合わせ、和解条件の確認などを行いました。
- アメリカ企業が日本企業に対して、日本国内で仲裁申立てをした事件で、アメリカ企業を代理し、日本の仲裁規則の説明、訴訟戦略協議、進行管理などを行いました。
- 香港企業を代理して、日本企業に対して、日本の裁判所に売掛代金支払請求訴訟を提起しました。裁判所では、当方の主張が全て認められ、分割払により全額の回収を図ることができました。
- 日本企業がシンガポールの裁判所で裁判を行う際に、日本企業を代理し、シンガポールの代理人選任、訴訟戦略の立案、訴訟の進行管理、シンガポールの代理人との連絡・打ち合わせなどを行いました。
- ヨーロッパ企業を代理して、日本企業に対して、日本の裁判所に売掛代金支払請求訴訟を提起しました。請求内容について相手方が全て認め、相手方が連帯保証人を付けるとともに、債務の全額を分割して支払う内容の和解が成立しました。
用語
(アルファベット・五十音順)
- Affidavit(宣誓供述書)
- たとえば、日本にいる証人が、日本の公証人の前で宣誓供述を行い、宣誓供述書の内容を外務省及び提出先大使館で認証してもらった上、外国の裁判所に陳述書として提出します。外国の裁判所では日本人が作成した宣誓供述書は、一定の要件のもとで証拠として扱われます。
- Client Attorney Privilege(弁護士秘匿特権)
- 弁護士と依頼者との間の通信文書については、ディスカバリーで開示される対象から外れます。依頼者が弁護士と行った訴訟に関する打ち合わせなどは開示の対象外です。
- Default Judgment(欠席判決)
- アメリカで行われる訴訟手続にDefendant(被告)である日本企業が出席しない場合には、アメリカ法上有効な送達がなされている限り、アメリカの裁判所において欠席判決がなされる可能性があります。
- Deposition(デポジション)
- 法廷外での証言録取のことをいいます。外国の訴訟においては証人が法廷に出席することが困難であることや、陪審裁判が開始する前の段階で双方の当事者が関係者から証言を入手するために行われます。
- Discovery(ディスカバリー)
- Discoveryとは、証拠開示のことです。裁判所の決定により、各当事者が有する手持ち証拠が相手方当事者に事前に開示されることになります。実際に有する証拠の提出を拒んだ場合、法廷侮辱罪にあたるだけでなく、訴訟上極めて不利な立場に置かれる可能性があります。
- Expert Witness(専門家証人)
- 知的財産権に関する紛争等で、特許権に対する侵害の有無や、損害額等について専門家意見書が提出されたり、専門家に対する証人尋問が採用されることがあります。外国法の弁護士が当該国の法律について証言する場合も、専門家証人に該当します。
- Interrogatory(質問事項書)
- 陪審裁判が始まる前の段階で、双方の当事者の代理人が相手方の主張を明確にしたり、事実関係について確認するために、相手方当事者に対してInterrogatoryを送ります。Interrogatoryに対して、当事者は一定の除外事由に該当しない限り回答する義務があります。
- Jury System(ジューリーシステム)
- 民間から選ばれた陪審員が刑事事件や民間事件の審理に参加し、裁判官が加わらない評議により事実認定を行う裁判システムを言います。アメリカの多くの州では、などはJury Systemを採用しており、訴訟については陪審員が勝敗を決定することになります。
- Parties(当事者)
- 民事裁判手続における訴訟の当事者は、Plaintiff(原告)とDefendant(被告)と呼ばれます。Plaintiffが提出する訴訟提起の書面はComplaint(訴状)、これに対してDefendantが提出する書面はAnswer(答弁書)といいます。
- Service of Complaint(訴状送達)
- Service of Complaintとは、訴状の送達のことです。Service of Complaintは、各国の訴訟手続法によるほか、条約による定めがあります。例えばアメリカの法令上有効な送達方法であっても、日本の法令上有効な送達がなされていない場合には、アメリカで行われた判決が日本において執行できないことがあります。
- Summary Judgment(サマリージャッジメント)
- 重要な事実について争いがなく、法律問題だけで判決できるような場合、陪審裁判等の正式の事実審理を経ずに裁判所が判決を言い渡します。このような手続によってなされる判決をSummary Judgmentといいます。
- Witness Examination(証人尋問)
- 裁判官の面前で、原告及び被告の双方が証人に対して質問を行う手続をいいます。証人尋問がうまくいくかどうかは訴訟の勝敗について極めて重要な意味を持ちます。事前の入念な打ち合わせが必要になります。
費用
国際訴訟、国際紛争に関する法律業務については、当事務所所定のタイムチャージの方式により弁護士報酬の請求をさせていただきます。タイムチャージ方式とは、それぞれの弁護士が当該案件に使用した時間を毎日タイムシートに記入し、月ごとに、当該弁護士が当該案件に使用した時間を集計し、当該弁護士の一定のレート(報酬レート)を乗じた金額を計算して請求書を作成する方式です。
例えば、A弁護士の1時間当たりの報酬レートが2万1000円の場合で、当該月に当該案件の処理に10時間使用した場合の当該月の報酬金額は、2万1000円×10時間=21万円(消費税込)となります。
各弁護士の報酬レートは、概ね次のとおりです。
タイムチャージ制における各弁護士の報酬レートは、各弁護士の実務経験・専門性によって異なりますので事前にご相談下さい。
| 報酬レート(消費税込) | |
|---|---|
| パートナー弁護士(経営弁護士) | 2万6250円から3万6750円 |
| アソシエイト弁護士(勤務弁護士) | 1万5750円から2万6250円 |
報酬は月末ごとに締めを行い、報酬金額の計算ができ次第請求書の発行を行います。クライアントから希望がある場合には、弁護士ごとに、いつ、どの業務に、いくらの時間を使用したかを明示する明細書(ディスクリプション)を日本語又は英語で発行いたします。
受任に際しては、当事務所作成の委任契約書を締結頂きます。委任契約書は、必要に応じて日本語又は英語で作成いたします。
![[お問い合わせ] Tel. 03-3539-2555(受付時間/月~金 9:00~18:00)](/common/banner/bnr_contact.gif)